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『バレリーナ:The World of John Wick』──新たな復讐の女神、ジョン・ウィックの世界に舞い降りる

『バレリーナ:The World of John Wick』 8月22日(金)全国公開

「ジョン・ウィック」シリーズの待望のスピンオフ作品。
「ジョン・ウィック」シリーズを観たことがない人には、少し戸惑いがあるかもしれない。細かいシーンの説明がないため、ジョン・ウィックを知っている前提でストーリーが展開していく。残酷なシーンも多いが、殺し屋の末路や生きざまを描いた作品なので、覚悟して観てほしい。シリーズを知っている人にとっては、ガンアクション中心だったジョン・ウィックとはまた違い、本作のヒロインは戦い方に多くのバリエーションがあり、戦闘シーンにも新鮮さがある。

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孤児を集めて暗殺者とバレリーナを養成するロシア系犯罪組織「ルスカ・ロマ」。伝説の殺し屋ジョン・ウィックを生み出したその組織で、殺しの技術を磨いたイヴは、幼い頃に殺された父親の復讐を誓う。
組織に背き、1000年の長きにわたって続く暗殺教団の存在にたどり着くイヴ。彼女の前に、あのジョン・ウィックが現れる......。果たして彼は敵なのか味方なのか?最強の殺し屋と対峙したイヴの選択とは──?

スピンオフ作品でありながら、ジョン・ウィック本人がしっかり出演し、活躍する場面も多いため、ファンにとってはまさに待望の新作と言える。ジョン・ウィックシリーズはただのミッション遂行映画ではなく、キャラクターそれぞれの信念が描かれているところが大きな魅力。その魅力は本作にも引き継がれている。

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主演のイヴ・マカロを演じたアナ・デ・アルマスは、アカデミー賞にノミネートされた経験を持つ注目の女優。168cmという身長も、画面では小柄に見えたが、小柄さを感じさせないほど、力強いアクションを次々とこなしていた。女性だからといって敵が手加減することは一切なく、常に命をかけて戦っているリアルさが伝わってきた。

このシリーズ、今後もぜひ観ていきたいと思える。
新たな復讐の女神は、この先どこに向かって走っていくのだろうか?

(文/杉本結)

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『バレリーナ:The World of John Wick』
8月22日(金)全国公開

監督:レン・ワイズマン
出演:アナ・デ・アルマス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、ノーマン・リーダス、イアン・マクシェーン、キアヌ・リーブス 他
配給:キノフィルムズ

原題:BALLERINA
2025/アメリカ/125分
公式サイト:https://ballerina-jwmovie.jp
予告編:https://youtu.be/H0cJYbHnjqQ
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