北欧のキュートな世界観とコミュニケーションに学びがあります!『オンネリとアンネリのおうち』
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本作は、フィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミの児童文学『オンネリとアンネリ』シリーズを映画化しました。
7歳のオンネリとアンネリはとても仲良し。夏休みのある日、ふたりはバラ通りで「正直者にあげます」と書かれた手紙とお金の入った封筒を拾い、そのお金で、バラの木夫人というおばあさんから一軒家を買います。
その家は、水色のおうちで、中には、小鳥がいたりドールハウスがあったり、クローゼットにはお揃いの可愛いお洋服がたくさんあったり、またベッドやバスタブ、小さな家具までキュートな北欧インテリアです。ふたりの目はキラキラ輝き、観ているこちらまでワクワクします。
そして、気難しそうなお隣さんや魔法が使える陽気なおばさん姉妹など、ちょっと変わったご近所さんとも勇気をだして交流を持ったことで、ふたりの生活を楽しませるスパイスになります。
物語は、お隣さんの家に泥棒に入られてしまう事態になってしまうのですが......。結論から言うと、悪人はいません。泥棒を捕まえるためにオンネリの弟が冷凍庫に閉じ込められてしまっても、泥棒が捕まっても、誰一人相手を責めることもなく、なんなら犯人が二度と盗みをしなくてもよいようにとご近所さんみんなで解決策を考えてあげます。
ファンタジー味が強いですが、よく知らない人との交流に警戒心を持たざるをえなくなった現代でも、本作から少しでも見習えることがあればいいなと思った次第です。まずは、お隣さんに挨拶はもちろんですが、「暑いですね」「一雨降りそうですね」などもう一言付けたしてみる努力から始めてみたいと思います!
(文/森山梓)