自分探しに最適なのは『わたしに会うまでの1600キロ』
- 『わたしに会うまでの1600キロ [DVD]』
- リーズ・ウィザースプーン,ローラ・ダーン,トーマス・サドスキー,ケヴィン・ランキン,W・アール・ブラウン,ジャン=マルク・ヴァレ
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自暴自棄になっている時や、自分を見失っていると感じた時、あなたは何をしますか? 映画『わたしに会うまでの1600キロ』は、人生再出発のために1600キロを横断するというある女性の挑戦を描いた実話。本作を通して、自分との向き合い方について考えさせられました。
アメリカ・メキシコの国境から、カナダの国境までアメリカ西海岸を縦走するパシフィック・クレスト・トレイル。リース・ウィザースプーン演じるシェリルは母の死をきっかけに、自暴自棄になりヘロインに手を出し、見知らぬ男たちとセックスに明け暮れます。それを機に支えてくれた夫と離婚し、自分を見失っていたシェリルは、自分自身を取り戻すために、1600キロ横断に挑戦します。
ハイキング初心者で、準備するものすらわからないシェリル。自分より大きな荷物を抱え、テントの組み立てに一苦労。そんな彼女が、出会う人々の助けもあり徐々に成長していきます。しかし、物語の大半は、シェリルが歩きながら自分の過去と向き合うというもの。ヘッドホンで音楽を聴くこともなく、自然の中に身を置いて、過去に起きたことと向き合うのです。そんな彼女は歩きながら独り言や歌、フレーズ、詩を織り交ぜながら口ずさむ。彼女の心境や言葉はどれも胸に突き刺さるものになっています。また、小さなカエルに覆われながら目覚めたり、狐と遭遇したりと、自然の中ならではの光景にも注目。
現代では、気軽に音楽を聞けるようになったし、誰とでも連絡を取り合えるようにもなりました。そんな中、シェリルのように自然に身を置きじっくりと自分と向き合う時間を作るのはなかなか大変。しかし、本作を見てシェリルと同じように、自分探しができるかもしれません。ちなみに、監督を務めたジャン=マルク・バレは、シェリル役のリースにテントやコンロの説明書を読ませなかったそう。スクリーンに映し出されたフラストレーションは全て本物だったのだとか。
(文/トキエス)