もやもやレビュー

不気味な青年を家に招いたら......『河畔の家』

河畔の家 (字幕版)
『河畔の家 (字幕版)』
アンジェラ サラフィアン,ポール シュナイザー,リア マクヒュー,ジェイコブ ロフランド,ダグ ヴァン・リュウ,アレックス マッコーレー,アレックス マッコーレー,ペイジ ペンバートン,ポール B ウッド,ジェイソン ブラム,メアリー=マーガレット クンツェ,クリス マッカムバー,ジェレミー ゴールド
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 『インシディアス』シリーズや、『パージ』シリーズなど、ホラージャンルをメインに多くのヒット作を生み出してきた映画製作会社・ブラムハウス。そんなブラムハウス製作のホラー映画『河畔の家』を今回はご紹介。劇場公開はされず、さらにはホラー映画では「よくある設定」の本作ですが、なかなか不気味ないい味が出ている作品になっていました。

 夫・ジョンの不倫が発覚し、主人公のジェシカがジョンに証拠写真を突きつけるところからスタートするこの物語。ジェシカは家族を手放したくないという思いから、10代の娘アンナを連れて3人で家族旅行をして関係の修復を提案します。不動産会社で働くジェシカは、郊外にある豪邸の物件情報を見つけ出し、そこで休日を過ごすことに。これにはアンナも大喜び。アンナとジョンが買い出しに行くと、その店でアンナはアイザックという18歳の青年に声をかけられます。「元カノに似ているし、しかもかわいい」と言われたアンナは、もちろんアイザックに惹かれていくのです。その後、アイザックは、その店の店主でもあったおじいちゃんを連れて、ジェシカたちが滞在する豪邸へ。なんと夕食を作ってあげたいと申し出ます。不気味に思ったジェシカたちでしたが、最終的には招き入れてしまいます。しかし、ただでさえ複雑だった家族の関係が、アイザックたちによってさらに崩れ始めていきます。

 本作は、不気味な豪邸を舞台に、ゆったりとした不気味な雰囲気のなか、シンセサイザーを多用したBGMが終始流れています。「何かがおかしい」という不吉な予感を与えてくれるBGMで期待が高まっていきますが、田舎の家という静かな環境により、その不気味さがさらに強調されます。めちゃくちゃ怖いシーンがある!というわけではなく、気持ち悪いぬるま湯に浸かっているような、そんな感覚が続く映画。最後のプチどんでん返しも必見です。また、アイザック役のジェイコブ・ロフランドの怖すぎる演技にも注目してもらいたいです。

(文/トキエス)

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