『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』が、アニメ化が決定するほど、長年愛され続けている理由
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2011年公開の映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』。公開から10年以上経った今、なんとアニメシリーズが製作されることに。ネットフリックスで独占配信される本作、オリジナルキャストが声優を務めることも話題になっています。そんな『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』が、どうしてこんなにも人々に愛され続けているのでしょうか。
本作の舞台はカナダ・トロント。アマチュアバンドのベーシスト、スコットは17歳の高校生とお付き合いしているものの、夢で見たラモーナというアメリカ人に実際に会って一目ボレ。ラモーナと付き合うためには、彼女の元カレ7人と戦わなくてはいけなくなり、さまざまなキャラクターに戦いに挑んでいきます。
ナヨナヨっとした頼りない主人公が、「悪者」を倒していくゲーム感覚で描かれた本作。しかし、よく観察してみるとスコットもかなりのバッドガイ。高校生の彼女とのゲーセンデートでは、彼女にお金を払わせたり、バンドの練習では私情を持ち込んではぼーっとしたり、パーティで急にストーカー化したり......。まず大前提として、高校生の彼女がいるのに別れず、ラモーナを追いかけている姿も女性目線から見たら気に食わない。しかしそんなスコットが自分の最低な行動を認めたときに、話はグッと面白くなっていくのです。本作が"特別"なのは、まさにこの点なのかなって思います。普段、私たちが"悪気がないのに"人を軽率に扱ってしまうこと、傷つけてしまうことをゲーム感覚で面白く表現している。それが多くの共感を呼んだのではないかと私は思いました。ちなみに、クリス・エヴァンスやブリー・ラーソンなど今やマーベル俳優としてビッグスターになった人たちが出演している本作。もちろん、アニメシリーズにも出演予定なので、こちらも楽しみです。
(文/トキエス)