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サプライズも時に必要なのかもしれない。『あなたの、私のクリスマス?』

あなたの、私のクリスマス?
『あなたの、私のクリスマス?』
エイサ・バターフィールド,コーラ・カーク,ダニエル・メイズ,アンジェラ・グリフィン,アレックス・ジェニングス,ナタリー・グメデ,ラム・ジョン・ホルダー,ハリエット・ウォルター,ジューン・ワトソン,デヴィッド・ブラッドリー,アストン・レイ,ハリス・キザ,ルシアン・ラヴィスカウント,ウェンディ・メイ・ブラウン,ステファニー・フェイヤーマン,デヴィッド・ハーグリーヴス,マーク・ヒープ,リジー・ローパー,ナタリー・ダン,ニール・エドモンド,アナベル・ダウラー,トム・パリ,ジム・オハンロン,ケイト・ヘギー,アンドリュー・ブレアトン,クリス・サイキエル,トム・パリ,ジム・オハンロン
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 クリスマスイブの前夜、付き合って間もないヘイリー(コーラ・カーク)とジェームズ(エイサ・バターフィールド)のカップルは実家に帰るため、しばしの別れを惜しみながら、それぞれの故郷に向かう列車に乗ります。
 が、クリスマスは好きな人と一緒に過ごしたい! 相手を驚かせよう! と考え、衝動的に相手の乗る列車に飛び乗ります。お互いに同じことを思ったために、それぞれが相手の列車に乗ってしまい、見事にすれ違ってしまいます。しかも大雪のため足止めになり、恋人の実家で初対面の相手の家族と過ごすことになります...。

 一見ステキな思いつきが、とんでもないクリスマスになってしまいます。恋人から聞いていた話とは違って、ジェームズの実家は超豪邸に住む由緒ある家だったり、ヘイリーの方は婚約者が登場したりと散々です。
 でも、この思いつきがなけば、知ることができなかった、相手の本当の姿を意図せず知ることになるのでした。

 やっぱり嘘はつくものじゃないなと思う一方で、言いたくない言いにくい事情があるのも事実。相手を驚かせよう喜ばせようという想いから起こった今回の出来事も、最悪なようで、蓋を開けてみれば、より相手を知る機会となったのでした。
 何かがきっかけとなって話す機会がもてるのなら、気持ちのままに動くことも時に必要なことなのかもしれないですね。素直な気持ちに従えば、色んな条件(悪条件だとしても)が重なって、辿り着いた先に待つものも、その時の自分に必要なことだったりするのかもしれません。
 ひと足遅れのクリスマス映画ですが、一見の価値ありです。

(文/森山梓)

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