ゴシックホラーのキャラクターに親近感。『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』
- 『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(字幕版)』
- タイカ・ワイティティ/ジェマイン・クレメント/ジョナサン・ブロー/コリ・ゴンザレス=マクエル/スチュー・ラザフォード/ジャッキー・ヴァン=ビーク,タイカ・ワイティティ
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ゴシックホラーの代表的キャラクターの1人といえば、吸血鬼ヴァンパイア。ホラー映画で恐ろしく描写されるこのキャラを親近感たっぷりに描いたホラー・コメディ・モキュメンタリー『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』を今回はご紹介。本作は、『ジョジョ・ラビット』で高く評価され、マーベル作品の監督も務めたタイカ・ワイティティが名を世に馳せたキッカケとなった作品です。
舞台はニュージーランド。一軒家で共同生活をしているのはヴァンパイアのビアゴ、ディーコン、ブラド、ピーター。共同生活でトラブルがないように、家事当番や町への外出などで自分達のルールを確立している4人に、カメラが密着。しかしある日、人間の青年ニックにピーターが噛み付いたことで、ニックがヴァンパイアに仲間入り。軽いノリのニックは人間の友人スチューをシェアハウスに連れてきてしまい......。
Screen Rantによると、本作が公開された当初は、大々的に公開されたわけではなく、小規模劇場で成功を収めたといいます。日本でいう『カメラを止めるな!』のような感じですね。当時、このホラー・コメディ・モキュメンタリーというジャンルは風変わりでしたが、Rotten Tomatoesで96%のスコアを獲得し、数々の映画賞で賞賛を受けました。さらにドラマシリーズも制作され、そちらも大好評。
このような大ヒット作になった本作。制作の裏側では、約125時間の映像が撮影され、ほとんどがキャストの即興演技。なんと制作のジェイマン・クレメントとタイカ・ワイティティは150ページの脚本を執筆したものの、映画のスタッフやキャストには1度も見せなかったそうです。撮影では、各シーンについて大まかに内容を説明し、俳優たちのリアルな驚きの表情なども捉えることに成功したのだそう。そして90分の映画にするため編集に要した時間は1年近くだったという本作。即興演技が詰まった作品だからこそ、観客も新鮮な驚きを体感できるのかも知れません。
(文/トキエス)