忠実で勇敢な仕事人 『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』

過日、ロンドン、ウェストミンスター寺院で執り行われた、エリザベス女王の葬儀。各国のロイヤルファミリーが参列するなか、女王のペットであるコーギーのミュイックとサンディ、ポニーのエマも参加しているのに気付いた人もいるだろう。途中からふて寝している姿も愛らしく、目尻が緩んでしまった。

コーギーは女王を表すキーワードのひとつと言える。人生の大半をコーギー達とともに過ごしており、その数なんと歴代で30匹以上。バッキンガム宮殿内にある「コーギー・ルーム」なる部屋で、コーギーたちは自由きままに走りまわったり、銘々くつろいで過ごす。お抱えシェフ手製の食事を食べ、すきま風に当たらぬようカゴのなかで眠る。クリスマスには女王直々におやつの詰まった靴下が贈られていたという。そんなコーギーたちの暮らしぶりを元に描いたアニメーションが「ロイヤルコーギー レックスの大冒険」。主人公レックスが宮殿を飛び出し、外の世界に戸惑いながらも成長を見せていく。もちろんエリザベス女王も登場するし、噂のコーギー・ルームの様子を垣間見ることができるのも嬉しい。

もともとコーギー犬は牧畜犬として生活していた犬種。運動神経が良く、忠実で勇敢、好奇心いっぱいなのが特ちょうなんだとか。トラブルにめげずに前向きに生きるレックスから、元気をわけてもらえる、家族向けの一本。

（文／峰典子）