もやもやレビュー

根強い執着心を生む漫画とは『キャラクター』

キャラクター
『キャラクター』
菅田将暉,Fukase(SEKAI NO OWARI),高畑充希,中村獅童,小栗旬,中尾明慶,松田洋治,宮崎吐夢,岡部たかし,橋爪淳,小島聖,見上愛,テイ龍進,小木茂光,永井聡,長崎尚志,川原杏奈,永井聡,村瀬健
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 SEKAI NO OWARIのボーカルFukaseが殺人鬼を演じ、俳優デビューを果たした映画『キャラクター』。菅田将暉を主演に迎え、漫画家と殺人鬼の異様な関係性を描いていく本作は、スプラッター映画並みに血がたくさん使われた過激な一本でした。

 主人公は、漫画家になることを夢見て、有名な先生のもとアシスタントをしていた山城(菅田将暉)。根っからの"いい人"である彼は、極悪人を描くことができず、彼の漫画は「キャラがない」と言われ夢を諦めかけていました。そんな時、山城はスケッチしに行った家で殺人現場と犯人を目撃。警察の事情聴取では「犯人を見ていない」と証言した山城でしたが、目撃した犯人をもとにキャラクターを作り、漫画を一心不乱に描きます。そんな彼の漫画「34」は大ヒット。しかしその漫画に登場する事件が模倣され、次々と現実になっていくのです。

 漫画というのは、人を熱中させ時にはとてつもなく熱狂的なファンを生み出す読み物。海外に滞在していても本屋にはちゃんと「manga」という本棚が設置されているほど、ファンは世界中に多くいるのです。山城の描く漫画は、殺人鬼の根強い執着心を生み出し、漫画に出てくるシーンを実際に再現することで、殺人鬼が勝手に「共同制作」しているという感覚に陥っていく。危険すぎる発想をもつ殺人鬼の魔の手が、次第に山城にも伸びていくのです。また、本作のカギとなる漫画の作画がとんでもなく綺麗なのもポイント。調べてみると江野スミさんという漫画家さんのものでした。ダークな世界観を持つその素敵な作画にも注目です。

(文/トキエス)

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