もやもやレビュー

マイホームへの異常な執着『侵入する男』

侵入する男 (字幕版)
『侵入する男 (字幕版)』
デニス・クエイド,マイケル・イーリー,ミーガン・グッド,ジョセフ・シコラ,デオン・テイラー,デオン・テイラー
商品を購入する
>> Amazon.co.jp

2019年のアメリカのスリラー映画『侵入する男』。『オーロラの彼方へ』や『僕のワンダフル・ライフ』などで知られる大御所俳優のデニス・クエイドが不気味な中年男性を演じています。テーマは、よくスリラーで描かれるような異性への執着......ではなく、なんとマイホームに対する執着なんです。マイホームをこよなく愛する男性が、惜しくも手放したことから始まる悲劇が描かれています。

 都会に住み、バリバリ働く夫婦スコットとアニー。「将来は、都会の喧騒から抜け出して子育てしたい」というアニーの思いから、2人はマイホームを探すことに。物件見学に訪れたスコットとアニーは、鹿を猟銃で射殺するチャーリー(デニス・クエイド)と遭遇。物騒な第一印象のチャーリー......実は物件のオーナーだったのです。銃が原因で兄弟を亡くしているスコットは、彼に違和感を持つものの、割引してくれるということ、そしてアニーがとてもこの物件を気に入ったことから、屋敷を購入することに。チャーリーは「マイホームを手放した後は、娘のいるところへ引っ越す」と話していたのですが、夫婦がこの屋敷に引っ越してきてからというもの、毎日のように家を訪れ、勝手に庭の手入れまでし始めてしまうのです。さらにはチャーリーがアニーに好意を抱き始め......。

 親切なおじさん、という印象でありながらどこか不気味。アニーはそんなチャーリーと家の中で一緒にピザを食べたり、お互いについて語り合ったりして交流を深めていきます。一方で夫のスコットは警戒心を強めていくばかり。後半になるにつれてチャーリーの正体がわかってくるのですが、それはとんでもないものでした! 彼が家をこよなく愛する理由とは......? 衝撃的な結末が好きな人はぜひチェックしてみてください。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム