予定通りに進まないときの対処法、ここにあり『セラヴィ！』

計画通りに進まないときにこそ試されるのは、柔軟に対応できる力かもしれない。「柔軟に対応しろ」はまさに『セラヴィ！』（2017年）に登場する主人公、マックス（ジャン＝ピエール・バクリ）の口癖である。

彼の職業はウェディングプランナー。数時間後には彼プロデュースの式が開始する。マックスは業界のベテランで、もう段取り力は抜群のはず。ところがブレーカーが落ちたり欠員が出たりと予期せぬトラブルが次々と舞い込み、早くも彼と彼のチームの柔軟な対応力が試される。彼を支えるチームが頼もしければ心も少しは軽くなりそうだが、仕事そっちのけでオードブルをつまむカメラマンに新婦を口説く給仕、ことあるごとに怒鳴り散らすチームリーダー、とみんなかなり自由奔放。大丈夫だろうか......と観ている側まで不安になるなか、式は開始。あいにく本番も順調という言葉からはほど遠く、メインディッシュが腐ったり、余興中に花婿が気球から吊るされ遠くまで飛ばされたりと、対応力が試される問題が勃発。マックスはこの状況をどう乗り切るのか。果たして彼の努力は報われるのか？

監督はフランス映画『最強のふたり』（2011年）を手掛けたエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ。今回はちょっぴりハチャメチャな内容だが、しっかりと笑わせ、心をぽっと温める作風は健在。予定通りに進まないことはストレスフルだけれど、その分希望が差し込むとガツンと心を動かされるのかもしれない。

（文／鈴木未来）