もやもやレビュー

独創的でキケンな部屋から抜け出せ!『エスケープ・ルーム』

エスケープ・ルーム (字幕版)
『エスケープ・ルーム (字幕版)』
テイラー・ラッセル,ローガン・ミラー,デボラ・アン・ウォール,タイラー・ラビーン,ニック・ドダーニ,ジェイ・エリス,アダム・ロビテル,ニール・H・モリッツ
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 『テイキング・オブ・デボラ・ボーガン』や『インシディアス 最後の鍵』などのアダム・ロビテル監督による最新ホラー・スリラー『エスケープ・ルーム』。ある部屋から脱出するという作品は『キューブ』、『サラリーマン バトル・ロワイアル』、ネットフリックス「今際の国のアリス」...などなど、作品名を出し始めるとキリがないですが、本作に登場する部屋はどれも独創的で、脳裏に焼きつくものばかり。

 内気な理系女子ゾーイ、食料品店で働くベン、元軍人のアマンダ、投資家のジェイソン、トラックの運転手マイケル、ゲームマニアのダニーは、感謝祭シーズン前にある招待状を受け取り、体験型の脱出ゲームに参加することに。優勝者には1万ドルの賞金が出るこの脱出ゲームに挑む6人でしたが、次第にその部屋が"普通"ではないことに気づきます。時間内に全てのヒントを見つけて、部屋を脱出しなければ命の危険にさらされてしまう......。そんな状態で6人は力を合わせて、脱出ゲームを一つ、また一つとクリアしていきます。

 本作の題材になっている「脱出ゲーム」はここ10年ほどで流行し始め、日本でも人気を博しています。そんな「脱出ゲーム」、本作では体力勝負みたいなところもあり、死と隣り合わせの"競技"として描いているところもポイント。またどの部屋も、天地逆転していたり、極端な寒さや暑さを利用したりとかなり独創的。残酷でユニークな脱出部屋は、他の"脱出系映画"と同じような印象を与えないようになっていると感じました。ちなみに本作の撮影は、怖すぎる映像で話題となった映画『ライト/オフ』のマーク・スパイサー。各部屋の環境や空間レイアウトが複雑そうなのに、観客にも簡単に理解できる優れた仕事をしてくれています。ちなみに続編『エスケープ・ルーム トーナメント・オブ・チャンピオンズ』は早くもアメリカで公開済み。早く日本に入ってきて欲しい!待ち遠しいです。

(文/トキエス)

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