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古代都市に取り憑かれた男たち 『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』

ロスト・シティZ 失われた黄金都市(字幕版)
『ロスト・シティZ 失われた黄金都市(字幕版)』
チャーリー・ハナム,ロバート・パティンソン,シエナ・ミラー,トム・ホランド,ジェームズ・グレイ
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またまた邦題アカン案件。ブラピ率いる「プランBエンターテインメント」が制作と知らなければ、このまま見ないままだったかもしれない。B級タイトルに紛れた良作『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』の話である。

本作の主役は『インディージョンズ』のモデルとも言われる、イギリスの考古学者パーシー・フォーセット。時は20世紀初頭。他国に先駆けてアマゾン開拓を狙う政府の命で、ブラジル奥地へ測量に向かうパーシー。過酷な環境と次々に欠けていく仲間に後悔の色を見せ始めたとき、ジャングル深くに人間のいた形跡を発見する。伝承として語り継がれてきた古代黄金都市「エル・ドラード」かもしれない......。

未知の地に取り憑かれるパーシーの生き様を美しく演じるのはチャーリー・ハナム。パーシーの相棒ヘンリー・コスティンに扮するのはロバート・パティンソン(ちょい野暮い役なのにセクシー)。そしてパーシーの妻にシエナ・ミラー。息子役にスパイダーマン前夜のトム・ホランド。タイトルに騙されず観た方が良いことがわかってきただろうか。

映画同様、実際のパーシーも黄金郷を発見し、何度もアマゾン探索に出向いたのだという。そして1925年、アマゾンで消息が途絶え、消えた。映画のラストシーン部分についてはフィクションとなるため、非常に想像が掻き立てられる。一体どんな最期を迎えたのだろうか。もしかすると黄金郷を発見できたのかもしれない。だって、ずっとずっと後になって、パーシーが訪れた場所から、遺跡が発掘されているのだから。

(文/峰典子)

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