R・ゴズリングとB・クーパーが共演したクライムドラマ 『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』
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- ライアン・ゴズリング,ブラッドリー・クーパー,エヴァ・メンデス,デイン・デハーン,デレク・シアンフランス
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退廃的な世捨て人を演じるライアン・ゴズリングが大好物だ。昼間は車の整備工場で働き、夜になると超絶技巧の走りっぷりで強盗を手助けする『ドライブ』(11)は以前にこの場でも紹介したが、その後の出演作品『ブレイス・ビヨンド・ザ・バインズ/宿命』(13)でも、なかなかゴツゴツとしたゴズリングを拝むことができる。
物語は三部構成になっており、つながりのある主人公が移り変わっていく、珍しいタイプの作品。第1部はルーク(R・ゴズリング)が主人公。移動遊園地のバイクショーに出演し、イージーゴーイングな暮らしをしているが、別れた恋人(エヴァ・メンデス)と再会。息子が産まれていたことを知り、二人を喰わせなければと奮起。バイク修理のおじさんに唆されて銀行強盗を企てる。成功したのは最初のうちだけ、運が尽きた数回目の強盗の際に、新米警官エイブリー(ブラッドリー・クーパー)に追い詰められる......。
第2部は、順調に出世街道をのし上がっていくエイブリーが主人公。終章は、二人の息子たちが偶然出会い、親たちの真相を知り苦悩する。細やかな伏線が行き交い、鮮烈な印象が残る。ルークの息子役を演じたデイン・デハーンは、ブロンドヘアーに憂いを帯びたブルーグレーの瞳が光る。粗野な父親の血を引きながらも、タイトルにあるように『THE PLACE BEYOND THE PINES(松の木立の向こう側)』へ、新たな夢を求める。その後ろ姿には、泣けてくるものがある。
(文/峰典子)