親切すぎるとビジネスで成功できない!? 『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
- 『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)』
- マイケル・キートン,ニック・オファーマン,ジョン・キャロル・リンチ,ローラ・ダーン,リンダ・カーデリーニ,パトリック・ウィルソン,B.J.ノヴァク,ロバート・シーゲル,ジョン・リー・ハンコック
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自営業の人や、これからビジネスをスタートさせたい人の中には、映画を参考にしようと思っている人もいるかもしれません。実際に「起業」や「サクセスストーリー」を描いた映画は数多く、とくに『ソーシャル・ネットワーク』や『ジョブス』など、実在した人物の伝記的映画は注目を浴びますよね。なかでも勉強になるのが『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』。あのマクドナルドを世界最大のファーストフードチェーンに成長させたマクドナルド・コーポレーションの創業者、レイ・ロックを描いた作品です。心が痛くなるけど、めちゃくちゃ勉強になる一本。
舞台は1954年のアメリカ。52歳のレイ・ロック(マイケル・キートン)は、シェイクミキサーのセールスマンとして働いていました。なかなか売れないミキサー......しかし、ある日8台もミキサーをオーダーしてきた店がありました。さっそくその店に足を運んだレイ。そこは、ディック&マイク兄弟による「マクドナルド」というドライブインレストランでした。今までにない斬新なアイデアでコスト削減や、スピード向上など成功したビジネスコンセプトを持つこの「マクドナルド」に一気に興味を持ったレイは、兄弟にフランチャイズ化を提案し......。
レイは、欲しい物はなんでも手に入れてきた "ジャイアン"タイプ。それに対しディック&マイク兄弟は誰にでも優しく親切なタイプ。夢を叶えるために必死に「マクドナルド」を作り上げたのに、利益のことしか考えないレイと契約を交わしたもんだから、どんどんこの兄弟に悲劇が起こります。
「可哀想......」。その兄弟に思わずかけたくなるのはこの一言だけ。その一方で、レイは夫婦生活を犠牲にしつつも、"ハンバーガー帝国"を築き上げていくのです。
本作で学べることは、ジャイアンタイプがやっぱりビジネスで成功しやすいということ。そして親切心がもたらす最悪のケースも見ることができます。エンドロールのころには、改めてレイという人物の偉大さを突きつけられます。ビジネスを始めるなら教訓として観ておきたい一本です。
(文/トキエス)