もやもやレビュー

一方通行の強烈なホラーラブストーリー『アンセイン 狂気の真実』

アンセイン ~狂気の真実~ [DVD]
『アンセイン ~狂気の真実~ [DVD]』
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 新型コロナウイルスが蔓延する中、家からとりあえず出ない生活をしていると、刺激が欲しくなってスリラーやホラーをいつもより欲してしまう......そんな私が観たのは『アンセイン 狂気の真実』。『オーシャンズ11』などのスティーブン・ソダーバーグ監督が、なんと全編iPhoneで撮影したというスリラー作品です。

 デビッドという男から2年もの間ストーカー被害にあっていたソーヤーは、携帯番号などを新しくして、新しい土地で新生活をスタートさせます。しかし、ストーカーのトラウマからストレスを抱えていた彼女は、カウンセリングを予約。そこで何かの手違いがあり、施設に強制的に入院させられてしまいます。警察に電話するも相手にしてもらえず、さらに施設で働く職員がかつてのストーカー、デビッドに似ていることから思わず殴ってしまい、入院期間は延長。しかし、その職員はまちがいなくデビッドだと確信するソーヤー。果たして彼女の被害妄想なのか、それともデビッドはホンモノなのか......。

 本作では、デビッドがなぜソーヤーをそこまで愛すようになったのか、その経緯も描かれているのですが、これがまた強烈。しかし、視点を変えて「これ、もしソーヤーと両思いだったら」と考えると、情熱あふれるラブストーリーになるのです。愛が一方的だと、こんなにもホラーに仕上がるのかと、愛の描き方によって作品ジャンルが大きく変わることを改めて実感しました。ちなみにスリル満点のストーリーラインの中、マット・デイモンがプチ出演していて、ちょっと癒やされます。強烈で衝撃的なホラーラブストーリー。刺激がほしい方におすすめの一本です。

(文/トキエス)

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