もやもやレビュー

コンセプトと脚本さえ面白ければどうにでもなる『GAL AVATAR』

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 ここ最近、無作為で映画を引いているのにことごとく駄作を引き当て「この国では映画を撮っていけない法律でも作った方がいいのではないだろうか?」など、下らないことを本気で考えていた時に引いたのが本作だ。酷い映画を掴む星の下にでも生まれたのかと思うレベルで酷かったが、笑えるだけ量産型の恋愛漫画の実写化よりはマシ。遥かにマシ。

 痴呆症の祖母の介護に悩む家族が、せめてトイレは自力で行ってもらうという名目で父親がある日、意識を転移できる人造人間のアバター(中古)を購入。そのアバターの容姿が若い女性だったことで引き起こされる様々な騒動を描いている。

 『アバター』の設定をパロディ化した馬鹿でエロな作品なので、安い酒をキメながら視聴すると下品すぎて腹を抱えて笑う。
 アバターを買ってきた父親の動機は妻の意識を転移させてセックスに勤しむことだし、引きこもりの姉はアバターに意識を転移させてナンパされまくり。主人公の男子高校生に至っては、猫捕まえてきて意識を転移させて脱童貞を図ろうとする。本来使うはずだった祖母はアバターに転移して街を徘徊。中身は恍惚したままなので当然トラブルが多発する。
 馬鹿でエロのみでどうオチをつけるのか観ていたら、欲望のまま突っ走った人間は酷い目に遭いリラダンの『未来のイヴ』を彷彿させたりする。あの作品も「理想の女性」を作ろうとして果たせないという結末だった。
低予算のVシネらしい雑な特殊効果などは本作の勢いで存外気にならない。アバター役の羽田あいの台詞が棒読みだって、却ってロボットらしい雰囲気の醸成に一役買っている。まぁ、中身は人間という設定だが。取り合えず映画を構成する上で必要なものが色々欠けたとしても、コンセプトと脚本さえ面白ければどうにでもなると思わせる内容だ。

 本作のようなアタリをごく稀に引くので、クソ映画っぽい作品総当たりという遊びをやめられない。もっとも、そんな運任せをするよりも黙って良作、佳作と呼ばれる映画を視聴した方が娯楽としては正しいのだろうけど。

(文/畑中雄也)

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