もやもやレビュー

ジョージ・クルーニーが人生の危機を演じる『ファミリー・ツリー』

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著名人のルーツをたどる番組が人気だというが、自分の先祖がどんな人間だったのか、どんな人でも多少なりとも興味があるのではないだろうか。イギリスには「ファインドマイパスト・ドットコム」というサイトがあって、自分の祖先の職業や身分をリサーチすることができるそうだ。

例えば、約100年の国勢調査を元に、ジュード・ロウの曾祖父がパン焼き職人だったことが発覚した(これを機にジュードにもパン職人の役が来たらいいのに!絶対に似合う!)。ガイ・リッチーにおいては、高祖父(曾祖父の父親)が将軍で、さらには13世紀のイングランド王・エドワードの遠縁だったこともわかったそうだ。

ルーツがテーマとなっている映画、『ファミリー・ツリー』の原題はThe Descendants(=子孫)。日本人には馴染みのない単語なので、ファミリー・ツリー(=家系図)としたのだろう。物語の舞台はハワイ・オアフ島。ジョージ・クルーニー演じる弁護士のマットの妻エリザベスが、事故で昏睡状態に陥る。そこで発覚するのがエリザベスの不倫。そして妻任せだった娘たちとの悪化する関係。さらには、先祖から受け継がれてきた広大なハワイの土地を開発のために売却(富を得るか)するか否か(自然を残すか)という選択を迫られる。重なる混乱が彼を苦しめていく。人生最大のピンチである。


家族全員がどう成長して、どう選択していくのか。こうして書き連ねてみると暗い内容に思えてしまうのだが、ハワイの大自然が背景にあり、笑える脚本もちりばめられているので穏やかな気持ちで見ることができる。全編に流れるハワイ音楽はスラッキー・ギターといって、弦を緩めた演奏法だそう。これがまたしんみりとした場面にマッチしてすごくいい。

(文/峰典子)

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