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母の"諦めない愛"に涙!『ベン・イズ・バック』

『ベン・イズ・バック』 5月24日(金)より全国ロードショー

 『ワンダー 君は太陽』など、最近母親役を演じることが多くなった人気女優ジュリア・ロバーツ。それでも私の中では『ノッティングヒルの恋人』や『プリティ・ウーマン』のような、女性としての魅力を放ちまくっているイメージが強かったのですが、5月24日(金)に公開される最新作『ベン・イズ・バック』では、そのイメージを一新。「ジュリア・ロバーツ=強くたくましい母」というイメージに、完全チェンジを果たしています。

 舞台はクリスマス・イブの朝。娘たちと教会から帰ってきたホリー(ジュリア・ロバーツ)の前に、薬物依存で施設に入所しているはずの息子・ベン(ルーカス・ヘッジズ)が姿を現します。ホリーは大喜びでしたが、過去にベンが起こした騒ぎから「また生活に危険が及ぶのでは......」と、継父のニール(コートニー・B・ヴァンス)とベンの妹アイヴィー(キャスリン・ニュートン)は複雑な様子。しかし、クリスマスということもあり、ホリーとニールはベンに24時間だけ家族と過ごすことを認めます。施設に戻すまで、家族水入らずで素敵なクリスマスを過ごそう。誰もがそう願っていた矢先、何者かに空き巣に入られ、愛犬のポンスが行方不明に。ベンは過去に自分と関わった者の仕業かもしれないと、ホリーとともにポンスを探すことに。

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 ポンスを探す間、ベンの交友関係が明らかになっていきます。それは母ホリーにしてみたらどれも衝撃的。なにせ、全てがクスリで繋がった人間関係なのだから。ポンスを探す間も情緒不安定になるベン。ホリーはベンと何度も衝突するも、決して息子を助けることを諦めません。夜中に薬物が出回っているようなデンジャラスな場所でも、ベンの姿が見えなくなると必死で探しにいきます。そんなホリーの姿は、涙なしでは観られません。でも私が一番感動したのは、冒頭のベンとの再会シーン。ホリーが複雑な気持ちを抱きながらも嬉しさを隠せずベンに抱きつくシーンでは、彼女がどれだけ愛情を注いできたのかを感じ取ることができます。そんなロバーツの演技、もう素晴らしいとしか言いようがないです。ちなみにPeople誌は「ロバーツのキャリアの中で最高の役柄だ」と絶賛したそう。ロバーツが放つ母親の "諦めない愛"。ハンカチを持ってぜひ鑑賞してみてくださいね。

(文/トキエス)

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『ベン・イズ・バック』
5月24日(金)より全国ロードショー
監督・製作・脚本:ピーター・ヘッジズ
出演:ジュリア・ロバーツ、ルーカス・ヘッジズ、キャスリン・ニュートン、コートニー・B・ヴァンス
配給:東和ピクチャーズ

2018/アメリカ/103分
原題:Ben Is Back 
公式サイト:https://benisback.jp
©2018- BBP WEST BIB, LLC 

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