もやもやレビュー

ペラペラな衣装がコスプレ感を加速させる『ニセコイ』

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 少女漫画が原作でも少年漫画が原作でも、邦画における恋愛映画が酷い。この原稿を書くために数年前からソフト等が出れば片端から視聴している。人生3回分は漫画原作の恋愛モノを観た気がするが、未だアタリを引かない時点でこのジャンルは地雷なのではないかと思えてきた。

 本作も例に漏れない。ポスターやジャケットを見た瞬間「あ、この上なく安いコスプレっぽい」と唖然とした。20歳オーバーの成人がペラペラに見える制服を着ていれば、そういう趣味でもない限り気分が萎える。場末の飲み屋のコスプレは薄暗い灯りの下で見るから耐えられるのであって、画面が明るめなため視界の逃げ場がない。辛い。

 そして、あらすじは暴力団組長の息子が、米国のギャングの娘と両家の抗争を止めるために偽の恋人を演じるというもの。三次元の人間が、こんな荒唐無稽な状況を演じるのだから大分無理がある。そして出演者の皆さんも、漫画のキャラクターを演じようと頑張る余りなのか、かなり大げさ。アニメキャラが演じているのなら、そういうものと脳が認識したろうけど、目に映るのは人間である。もう違和感を超えて拒絶反応が起きる。劇中劇で踊り出した時点で白目を剥いて泡を吹いた。

 アイドルを2時間弱アップ多めで鑑賞できるのだから、そういう視点で眺めれば元は取れるのかも知れない。今はやりの美女と美男が拝めるのだ、まぁ眼福と言えなくもない。
しかし、ネット動画がない時代ならともかく、現在において観たい顔はいつでも見られる。わざわざ長いこと映画館の椅子なりテレビ、パソコンの前で待機するには及ばない。

(文/畑中雄也)

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