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巨乳に精神を破壊される『爆乳戦隊パイレンジャー』

爆乳戦隊パイレンジャー [DVD]
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 アイドル映画は映画ではなく、単なるイメージビデオの類だと本作は教えてくれるようだ。低予算なのは特撮モノとは思えないチープな衣装でよく分かる。しかし、登場人物のどいつもこいつも全員が台詞を棒読みとは何の真似なのだろう。もう少し映画らしくしようという気概は一切感じられない。

 手島優らグラビアアイドル5人が、女性だけに与えられた力、パイエナジーで悪を撃つという、世の中をどう舐めたらこんな塩梅に仕上がるのか想像もつかないストーリー。一応、細部も説明しようかと思ったが、記述するほどの内容が存在しないので書きようがない。手島らが集まる部屋の名前は「パイルーム」。テーマは一貫して胸であることだけは十分過ぎるほど伝わる。

 昨今量産されているアイドル映画がマトモな作品に思えるほど低い意識に思考が停止する。制作陣の「男は胸さえアップしておけば食いつくだろう」という、男性蔑視な思想が透けて見えるような気もしなくもない。2008年に公開され、一部でカルト的な人気を誇ったが内容について語る人間がいなかった理由が今なら分かる。作品を語ろうと真面目に視聴したら頭がおかしくなる。70分もの間、延々と映される胸のアップは洗脳のための装置のようだ。巨乳に対する認識を恐怖に塗り替える洗脳のための作品なのだろうか。視聴後にグラビアアイドルのイメージビデオを観たら拒否反応が出た。

 ちなみに、本作の主題歌から「セクシー☆オールシスターズ」が生まれ「爆乳三国志」や「胸の谷間にうもれ隊」などが派生した。
 書いていると正気の沙汰とは思えないが、大量にユニットが存在したということは相応にファンがいたのだろうと推測される。10年ちょっと前の話なのに「一体、どういう時代だったのだろう?」と考え込んでしまう。

(文/畑中雄也)

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