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選択を繰り返す恋と人生『マイ・ファニー・レディ』

マイ・ファニー・レディ Blu-ray
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「左か右かの選択は人生に100万回ある。」焼き鳥屋に入ろうか。それともビストロに入ろうか。メールに返信しようか、見なかったふりをしようか。ショッピングに出かけようか、億劫だから今日は寝ていようか。100万回のなかには、大して大きな意味を持たぬものもあるだろうが、その一方で、たかだがひとつのチョイスが人生を大きく変えてしまうこともある。それに異論がある人はいないだろう。

この作品は、有名女優であるハリウッドスター、イザベラ"イジー"パターソン(イモージェン・プーツ)がインタビューを受けるシーンからはじまる。かつてコールガールをしていたこと、ある時にお客として出会った演出家アーノルド(オーウェン・ウィルソン)から「きみの将来のために三万ドルをプレゼントする」という唐突で奇妙な申し出をされた日のことを語りだす。三万ドルをもらった後に、複雑に絡み合っていく恋模様が、面白おかしく描かれる。

監督自身の人生にも注目したい。現在79歳のピーター・ボグダノヴィッチは、子供の頃からの映画好きで、30歳を目前に監督デビュー。その後1971年に「ラスト・ショー」でアカデミー監督賞にノミネート。プライベートでは、自らオーディションで見出したプレイメイト・ドロシーと交際していたが、ドロシーは彼女の別居中の夫に射殺されてしまう。2年ほど引きこもっていたが、その後、監督業に復活。最終的にはドロシーの妹と再婚したという。いやはやどっちが映画なのかわからなくなるが、こうした複雑な出来事も、彼のつくる群像劇に影響を与えているのであろう。ウディ・アレン好きの人にきっとハマるはずのウィットに富んだ恋愛群像劇である。

(文/峰典子)

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