バイタリティに欠けたら『ルーカスの初恋メモリー』でやる気スイッチをオン!
- 『ルーカスの初恋メモリー [DVD]』
- コリー・ハイム,デイビッド・セルツァー
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どんな環境でも割と見かけるのは、誰にでも好かれる人気者と、少数の心をぐっと掴むカリスマ性溢れる人。もっと細かく言うと、カリスマ性のある人とは、あまりにもへんてこりんで誰にも理解されずからかわれてしまうタイプと、独特な雰囲気が逆に格好良く、密かにみんなの憧れの的となるタイプに分かれます。『ルーカスの初恋メモリー』(1986)の主人公は、どちらかと言えば前者です。大きなメガネをかけて、昆虫を眺めることを趣味とするカリスマ性抜群のルーカス(コリー・ハイム)は、ある夏休みの日、辺りに新しく越してきたマギーちゃん(ケリー・グリーン)に一目惚れします。二人は仲良くなるものの、マギーちゃんは学校が始まるとフットボール選手のキャッピー(チャーリー・シーン)に惹かれてしまい、ルーカスの想いはあっという間におじゃん。さあ、ルーカスどう出る!?
少々クサいあらすじではありますが、マギーちゃんとキャッピーがチューしているところを目撃してからのルーカスの快進撃は見ものです。まず、自分をいじめてくる先輩が所属するフットボール部に(最初は「あんなの薄っぺらい」と言っていたにも関わらず)わざわざ入ろうとします。いじめられるからって彼はひるんだりしません。むしろ喧嘩を買いにいく勢いです。
最終的に練習にはほとんど参加しないまま、敗北寸前のフットボール試合に「出場させて」と頼み入り、勝ち点までとろうと必死に戦います。マギーちゃんを諦めず、どうにか気づいてもらおうとここまでしちゃうだなんて......。恋の行方は別として、存在感が抜群なのは間違いありません。
大人になるにつれ、どれだけがんばっても結果を出さなければ認めてもらえないことが増え、むしろ結果を出しても認めてもらえないなんて悲惨な結末もあるわけですが、ルーカスの真っすぐな姿を見ていたら、恐れず何かを勝ち取るために全力で戦いたくなりました。
ちなみにルーカスに想いを寄せる子の役で出演しているのは、当時たったの15歳のウィノナ・ライダー(本作が処女作!)。ヒロインのマギーちゃんも顔負けしそうなウィノナの美少女っぷりもひとつの見どころです。
(文/鈴木未來)