もやもやレビュー

出て来ない「ジョーズ」を待ちながら『JAWS in JAPAN』

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 洋画で散々サメが出てくる駄作を引きまくり「サメは映画を冒涜するシンボルなのだろうか?」とさえ妄想を抱き始めていた時、ふと目にした1本が本作だった。『ジョーズ』は言わずと知れたサメ映画の古典。その名前を冠している辺り、何かしら見るべきものがあるのではないかと信じ手に取った。ジャケットからはダメな雰囲気がプンプンしていたけど。
 果たして70分を無駄に過ごした。見るべきところがグラビアアイドルの水着姿のみ。出演しているグラドルちゃんたちの棒読み台詞も相まって、オツムの程度が9割下がる。シンナーの吸引は脳細胞を破壊し廃人にさせると言うが、多分この映画を視聴するよりはマシな気がする。

 あらすじなどあってないようなものだが、一応記す。卒業旅行で沖縄バカンスに訪れた女子大生のミキ(滝沢乃南)と麻衣(中島愛里)の2人組が、イケメンと知り合う。2人が泊まるロッジから借りたハンディカムにはイケメンが女性を惨殺する動画が残っていた。イケメンと親密になりつつあった麻衣を追って海辺に駆け付けると巨大なサメの姿が近づいていた。
 
 サメなんか最後の最後まで出ない。おそらく終盤1分ほどだ。おまけに素人が鼻ほじって作ったと確信する出来のCG。麻衣がサメに食われて終わるという、直前まで延々と続けた前振りは何だったのかというオチに愕然とする。B級なのに爽快感が皆無。最悪である。
 都度で表示される日付が伏線だろうと意識して観ていた己が憎い。邦画でサメってどう扱うのだろうかと少しでも期待した自分がアホみたいだ。

 本作の内容についていくら書いても呪詛くらいしか出てこないので周辺情報を調べると、邦画のくせにウィキペディアが英語版しか存在しない。ちなみに海外でのタイトルは『サイコ・シャーク』。何がサイコで、どこがシャークなのかさっぱり分からない。まぁ海外の好事家はサメという単語があれば食らいつくことだけは分かる。

 せめて何かしら本作の美点を挙げようと何度か繰り返し視聴したが「おっぱい!」程度の単語しか思い浮かばない。それなら黙ってグラビアアイドルのDVDを観ればいいだけで棒演技に付き合う義理はない。70分を過ごすなら、イメージビデオを観た方が優しい気持ちになれるはず。

(文/畑中雄也)

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