もやもやレビュー

私にもちょっぴりだらしなくて、ユーモアたっぷりのお友達をください。『50/50フィフティ・フィフティ』

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タバコも吸わない、お酒も飲まない。あえてしていることといえば、リサイクル。非常に従順な人生を送ってきたアダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が、27歳という若さで5年生存率50%のガンと言い渡されます。そんな彼の運命をコメディ調に描いた2011年の作品『50/50フィフティ・フィフティ』(2011)に笑って泣いたので、ぜひこの場を借りて紹介したいと思います。

本作品の何が素晴らしいかって、アダムの高校来の大親友であり、同僚でもあるカイル(セス・ローゲン)の存在。そもそもカイルなしでは、この映画はコメディの「コ」にもかすらなかったでしょう。だってアダムは闘病中だというのに「支えていく」と約束した彼女は病院へのピックアップに大幅に遅刻するわ、帰りは遅いわ、というかイエス風のヒッピーと展示会でチューしているじゃないか! このォ! こんな状況、辛くて笑えない。むしろ悲しすぎて、涙も出ません。

一方でカイルは、お酒も女もマリファナも大好き、アダムの病気をネタに女を釣っている...。ただのだらしない男です。でも無免許のアダムをいつも病院まで連れて行ってくれるし、ガンと知っても決して態度を変えたりはせず、いつもと変わらず冗談を飛ばすところが素敵です。

アダムがカイルに50%の生存率だと打ち明けると「なんだよ、全然大丈夫じゃないか。もっとひどいかと思ったよ」とさらり。なにごともないかのようにアダムをクラブに連れて行きます。おいおいと思いつつも、おふざけの姿勢を崩さないところに逆にぐっときます。涙腺が弱い人はきっとカイルの飾らない友情にいちいち涙するでしょう。

もう無理!そう感じたときは、些細なことでいいので、前に進めるきっかけが欲しいものです。ユーモアとは悩みを解決はしてくれないかもしれないけど、なんとかきょうを乗り切る力なら与えてくれるのかも、とこの映画を観て思いました。というわけで、ユーモアたっぷり、カイルそっくりのお友達を絶賛募集中です。

(文/鈴木未来)

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