「悪魔払い」を深く知るための教材的作品。『デビル・インサイド』
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大ヒットホラー映画『エクソシスト』で日本に幅広く認知された「悪魔払い」。聖水をぶっかけ十字架を振りかざし、悪魔を追い払うシーンは、たくさんの映画でも描かれていますね。しかし、「悪魔払い」は、日本人にとってあまり具体的なイメージがつかないもの。ホラー映画は自分の私生活に置き換えられるリアルなイメージを持てれば持てるほど、恐怖感が増して面白いもの。悪魔払いが題材になっているとそんなに恐怖を感じず、ショッキングな映像を楽しむためだけに鑑賞する人も多いでしょう。そんな方にオススメな作品を、今回はご紹介。リアルと重ね合わせるのが非常に困難な「悪魔払い」を、パラノーマルアクティビティで知られるPOV形式(自分の視点で撮影したドキュメンタリー風映画)で描いた作品『デビル・インサイド』です。
20数年前に悪魔払いを受けている最中に3人の神父を殺害し、現在イタリア・バチカンの精神病院へ収容されているマリア・ロッシ。マリアの娘イザベラは、優しかった母が殺人を犯したことを今も信じられずにいました。彼女は母が起こした事件の真相を追うため、フィルムメーカーのマイケルとともにバチカンへ足を運び、マリアと再会します。変わり果てたマリアの姿にショックを受けるイザベラは、科学的な悪魔払いを行っている神父ベンとデイヴィッド協力のもとマリアから悪魔を追い払おうとします。
本作を調べると「全米でスマッシュヒットを記録した低予算ホラー」という肩書きが出てきますが、実際、大手映画評論サイト『Rotten Tomatoes』では多くの映画評論家が批判。とくにエンディングが酷いと批判されているので、「ホラー映画ラブ!!」という人はあまり期待して観ない方がいいかも。私からすれば本作は「ホラー映画」ではなく「悪魔払い」について深く知ることのできる、言わば「教材的映画」という印象。マリアの娘イザベラは悪魔払いに関して全く無知なため、イザベラとともに学ぶことができます。「悪魔払いって一体何?」という方が、他のエクソシズムホラー作品をもっと楽しむために本作を観ることをオススメします。
(文/トキエス)