もやもやレビュー

仕事第一優先オトコに柔軟性を与えるには、劇的な事件が効果的。『クレイマー、クレイマー』

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男性はシングルタスク型(一点集中型)で、女性はマルチタスク型(複数同時進行型)なんてよく聞きますが、進化論的に男性は「狩りに出ること」が何よりも大切であった一方、女性は家を守りながら、様々なタスクを同時進行させる環境に置かれていた...という背景がどうやら理由としては濃厚のよう。ところがこの特性、打破できます。やり方は簡単。シングルタスク男を劇的な事件に巻き込めばいいのです。たとえば、この映画のように。

ある日、広告会社でバリバリ働くテッド(ダスティン・ホフマン)の妻であるジョアンナ(メリル・ストリープ)が、結婚生活に不満を抱き、息子のビリー(ジャスティン・ヘンリー)を置いて家を出て行きます。いきなりシングルファザー化したテッドは、仕事をこなす傍ら、不器用ながらもビリーの面倒をひとりで見始めます。ところがセラピストのもと「自分探し」を終えたジョアンナが、息子を取り戻すため、帰還。さてどうなる!? そんなストーリー。

ジョアンナが家を去った翌朝、仕事一筋で家事はノータッチだったテッドがビリーのためにフレンチトーストを作るシーンは、さっそくテッドが一点集中型を打破するワンシーン。

ところが、卵を片手で割ろうとすると殻ごとポシャン。卵を溶いたマグカップに無理やりパンを押し込み、溶き卵が溢れかえり...(潔癖性だと、耐えがたいシーンです)それを非常に不安そうに見届ける、息子のビリー。でも、7歳の彼がここで逃げるわけにもいきませんし、とりあえず鈍臭いお父さんをたっぷりの愛情で包みます。すると、仕事にばかり熱を注いでいたテッドが、少しずつ素敵なパパに...。ジョアンナが去る、という事件をきっかけに起こるテッドのマルチタスク男への変身っぷりを見ると、結婚するなら不器用でも柔軟性を持って動ける、やさしい人間がいいなぁ、なんて魅せられます。

仕事を大事にしつつも気を配れる男子は稀、なんて大胆発言はしません。ただ、仕事第一故に待ち合わせ時間が守れない、大事なデートを忘れちゃう...こういった彼には、何かしらのアクシデントを引っ掛けると効果的かもしれません。一種の賭けですが、試してみてはいかがでしょう。

(文/鈴木未来)

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