"衝撃的結末"映画初心者は視聴注意。『プレステージ』
- 『プレステージ [Blu-ray]』
- クリスチャン・ベール,ヒュー・ジャックマン,クリストファー・ノーラン
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良質な映画を求め、海外を飛び回る中「サスペンスとか、衝撃的な結末が好きなら、絶対に観た方がいいよ!」とやたら『プレステージ』を勧めてくる映画ファンに遭遇します。しかし、"マジック"を題材にしている点と、ダークファンタジー作品風のパッケージになんだか"喰わず嫌い"ならぬ"観ず嫌い"になってしまっていた筆者。しかし、それだけ世界各国で勧められるなら、観てやろうじゃないの! と、ついに鑑賞。エンドロールの頃には開いた口がふさがらず、体が硬直しながらも頭の中の第一声は「観ず嫌いになっていた自分、バカ!」でした。
ベテランマジシャンの助手であり若き手品師であるロバート(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド(クリスチャン・ベイル)。彼らは良きライバルで、お互いを刺激しあう仲でした。ところがある舞台のパフォーマンス中、アシスタントをしていたロバートの妻がアクシデントで溺死。そのことがきっかけで、ロバートとアルフレッドは対立するようになります。その対立がまた姑息! お互いのマジックのパフォーマンスへ足を運び、観客に種明かしをして恥をかかせ合うのです。男たちの醜い争いは次第に激しくなる一方で、彼らのマジックの質もどんどんレベルアップしていき......。
本作は復讐心に駆られまくる2人の男の物語。まず、マジックの本質を冒頭で解説してくれることで、本作のトリックがよく理解できます。後半、畳み掛けるように二転三転していく真相が面白い!「これが世界各国の映画ファンの心を鷲掴みにしている名作なのか!」と、エンドロール時に思い知らされます。「衝撃的な結末」映画はこの世の中にたくさんありますが、本作は「衝撃的な結末」映画初心者の方には、刺激が強すぎるかも。予想外な結末作品をめちゃくちゃ観てきた筆者でさえ、息をするのを忘れていたくらい。きっと興奮が収まらず、誰かに自分なりの感想を話したくてたまらなくなるはずです。
(文/トキエス)