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一流コメディアン、アダムが送る "最低の父親像"。『俺のムスコ』

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 これまでコメディ作品を幾つも世に送り出してきたアダム・サンドラー。彼がクレイジーな父親役を好演した『俺のムスコ』を今回はご紹介します。タイトルを聞いて「むむ、下ネタかな?」と思う方もいるかもしれませんが、本作は父と子の絆を描いた感動作でもあるのです。あ、でも下ネタも(もちろん)ちょいちょい盛り込まれてます。

  13歳のドニー・バーガーはセクシーな美人教師との過ちから、一児のパパとなってしまいます。13歳で美人教師とセックス。世の男性の夢を見事叶えたことで、ドニーはテレビや雑誌に引っ張りだこの人気者に。一方で、ハン・ソロと名付けられた息子は、18歳になったある日、ドニーの家を飛び出してしまいます。残されたドニーは、怠けた暮らしを続けた結果、なんと税金4万3000ドルを滞納! 支払わなければ刑務所行き決定のドニーはある日、ハンが一面を飾っている新聞を発見。その記事は、トッドという名前で生活している息子が、ビジネスに成功し、美女と結婚するというものでした。ドニーは、さっそく息子の親友を装いウェディング前の食事会に参加。なんとか自分の刑務所行きを免れようと、ハンからお金をせしめようとします。

 お金をせしめるためにハンに近づいたドニーでしたが、クズでもやっぱり父は父。どんどん情が湧いてきて、お金よりも大切な絆を見つけ出します。そんな感動的なシーンも多いのですが、なぜだか全く涙腺が壊れない......その原因は、ハンの苦労にありました。13歳で父になったドニー。もちろんハンに対してちゃんとした教育はできていません。ハンの背中全面にタトゥーを入れたり、毎朝の朝食で飴を与え、糖尿病&巨漢にさせてしまったり。ハンは、自転車の乗り方だってわからないのです。そんなハンは、自分の名前を捨て、過酷なダイエットに成功し、ビジネスもうまくいっている......「もう、放っといてあげて!」そう叫びたくなるそんな作品。

 一流コメディアン、アダムが送る、最低の父親像。笑えるシーン満載で、軽く観られる一本を探している人には最適な作品です。ちなみに、本作には一発屋ラッパーのヴァニラ・アイスも出演。元スーパーアイドルのクレイジーなはしゃぎっぷりにも注目です。

(文/トキエス)

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