もやもやレビュー

鬼才が撮った、とっておきの1本『神様メール』

神様メール [DVD]
『神様メール [DVD]』
KADOKAWA / 角川書店
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> LawsonHMV

映画監督を指す言葉としてよく用いられるのが、鬼才、そして奇才という言葉ではないだろうか。ふと気になって調べてみると、鬼才は、人間とは思えないほどの優れた才能の持ち主、とのこと。なるほど。タランティーノやキューブリックは、鬼才と呼ばれることが多そう。対して奇才は、世にまれな、すぐれた才能という意味。検索するとリンチやゴダールなんかが出てくる。誰の文献なのかは明確ではないのだが、あえて才能に順位をつけるなら、不才<凡才<俗才<英才<秀才<異才<天才<奇才<鬼才の順番なのだという。まあ、秀才まではさておき、そこから上は順位などつける意味はないような気はするけれど。

さて、今回おすすめしたい映画『神様メール』の監督、ジャコ・ヴァン・ドルマルは、ベルギーの鬼才と言われている。1957年生まれなのだが、非常に寡作でわずか4本の映画しか公開されていない。それでも、その度に独特の世界観で人々を感動させてきた。『神様メール』は、カンヌ国際映画祭やゴールデン・グローブ賞で称賛を浴びたコメディー作品。この作品に登場する、地球全体を司る神様は、清潔感とか高潔さとは無縁な、人間の姿をしたダメダメなおっさん。しかも、パソコンの操作で適当に人間たちの人生を弄んでいる。そんな父親に幻滅し反乱を起こしたのが、神様の娘。なんと、人間たち皆に余命をメールで知らせてしまう。さて、そこからどんなドタバタが起こるのだろうか。ああ、面白かった。

たとえ何度生まれ変わったところで、鬼才どころか秀才にもなれることはないだろう、平々凡々な私の魂だが、せめて俗才くらいは目指せるだろうか。俗才とは、日常の雑事をうまくこなす世渡りの能力のことらしい。身の丈に合わせて、せめてそのあたりを目指していきたい。

(文/峰典子)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム

  • 編集長:酒井若菜
    marble
    女優の酒井若菜が編集長となり、女性たちだけで新たに創刊するWEBマガジン『marble』。
  • 著者:髭男爵 山田ルイ53世
    髭男爵 山田ルイ53世のメールマガジン「貴族のメルマガ」
    芸人・髭男爵が毎週1回にお届けするメールマガジン。メールマガジンでありながら、テキストのみならず、髭男爵の音声コンテンツなどをお届けしてまいります。
  • 著者:かもめんたる
    週刊かもめんたるワールド
    メールマガジンでありながら、もはやテキストにこだわらず映像と音声で彼らのコント、コラム、撮り下ろし映像をお届けしてまいります。
  • 著者:エレキコミック
    エレキコミックの「エレマガ。」
    完全スマホ対応の「観る・聴く・読む」全部入りハイブリッドメールマガジン。ここだけの彼らの秘蔵映像、コラム、トークなどなど。
  • 編集長/著者:水道橋博士
    水道橋博士のメルマ旬報
    水道橋博士が「編集長」に就任して、過去、メルマガ史上に無い規模と内容と熱量で送るメールマガジン。
  • 著者:プチ鹿島
    プチ鹿島の思わず書いてしまいました!!
    「時事芸人」プチ鹿島が圧倒的なキレとコクで「メルマガ芸人」も目指す毎週更新のコラム集。
  • 著者:マキタスポーツ
    マキタスポーツの週刊自分自身
    メジャーとマイナーの境界にいる僕は今、自らを実験台としてリアリティショーを生きる。他じゃ絶対書かないとこまで、踏み込む。マジで。
  • かもめんたる
    かもめんたるの映像コンテンツ
    かもめんたるの映像をネットでまるっと楽しむことができる、動画コーナー! 閲覧有効期限なし1500円(税込)と「週刊かもめんたるワールド」定期購読者価格700円(税込)の2つからお選びいただけます。
  • エレキコミック
    エレキコミックの映像コンテンツ
    エレキコミックの映像をネットでまるっと楽しむことができる、動画コーナー! 閲覧有効期間が1ヶ月間(31日間)の500円コースと期限なしの1000円コースの2つからお選びいただけます。
  • 著者:萩原智子
    萩原智子『魂のファイトめし』
    元水泳メダリストの萩原智子さんが毎回いろんな一流アスリートと"食事"をテーマに対談していくメールマガジン。
  • » 有料メルマガ一覧