もやもやレビュー

ホラー映画のエログロを堪能する『ホステル』

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「映画は事前準備なしで楽しむもの」というモットーでレンタルビデオ店に行って目についた作品を適当にピックアップして本サイトの原稿を書いている。適当に、と言っても趣味の問題があるのでボンクラB級映画に集中してしまうので、苦手なホラー映画に挑戦しようと本作を選んだ。しかもスプラッター映画は観ることが苦痛なのに。タランティーノが制作指揮しているという知識だけで選んだことを後悔しきりだ。

 あらすじはヨーロッパ各地で買春を楽しむアメリカ人のパクストンとジョシュ(と途中で知り合ったアイスランド人)がスロバキアにエロいホステルがあると聞きつけ各人が地元のネーチャン2人と楽しい一夜を過ごす。翌日にアイスランド人が「帰国する」とだけ告げて2人の前から消え、その後ジョシュもいなくなり......と、映画が進むほどに不安感を煽る内容。
 序盤の乱痴気騒ぎとアメリカ人のお気楽ぶりから一転、陰惨なシーンになるので視覚的な効果は抜群。おかげで拷問された訳でもないのに観ているこちら側が拷問された気分になる。
 こういう痛々しい映画は趣味でないので別の楽しみを見出そうと視聴を続けていると、スロバキアを始めさまざまな国への雑な認識が透けて見える。筆者は東欧と言われても「美人が多い土地」と答えるボンクラなので偏見を持つほど知識はないが、スロバキアなのに駅の名前がチェコの名前だったりといろいろと適当。ちなみに日本人役も出てくるが、こちらの日本語も大分適当だ。「Nо(嫌)」を直訳したのか「いいえ」とか言い出す始末。本筋には何の関係もないが「もう少し何とかならなかったのか?」と思わないでもない。アメリカの映画で他国の認識を問うても無駄なことは承知しているけれど、集中力はそがれる。

 また、ネタバレになるので詳細は省くが(昔の映画にネタバレもないけれど)本作のような絶望を与える作品が終盤でカタルシスを得るような内容になっているのはいかがなものか。もっともカタルシスがあったからヒットしたという意見もあるので賛否両論なのだろう。ただ、こういう作品を好む層からの支持はどうなのだろう。ホラー映画を観て爽快感を味わうとは思いもよらなかった。

 ホラー嫌いとしては大変助かったけれども、自分がこのジャンルのファンだったら残念な気分になるだろうと感じた映画だった。

(文/畑中雄也)

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