もやもやレビュー

絶世の美女でも執着心を持つと醜い。『Unforgettable(原題)』

Unforgettable (2017)
『Unforgettable (2017)』
WarnerBrothers
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 大人気TVシリーズ『ロズウェル/星の恋人たち』やラブコメ作品『幸せになるための27のドレス』などで知られる人気女優、キャサリン・ハイグル。過去の出演作(映画)でのイメージといえば、気さくで笑顔が素敵な明るい印象の彼女ですが、新作『Unforgettable(原題)』では、異常に執着心を持つ女性を演じています。もう、別人のようで怖い。

 主人公のテッサ(キャサリン・ハイグル)は、厳格な母親に育てられたザ・完璧な女性。チャーミングだし美しいブロンドヘアの持ち主で、趣味は乗馬。そんな彼女は、離婚した元夫がジュリア(ロザリオ・ドーソン)と婚約したことを知り、嫉妬心で狂い始めます。ジュリアの偽のSNSアカウントを作り、彼女のサイコな元カレに連絡を取ってみたり、ジュリアの婚約指輪を盗んで自分ではめてみたり、それはもう病的なものばかり。美しい外見と、心の中の闇とのギャップがありすぎて、もう鳥肌が止まりません。

 ジュリアのことを心から憎んでいるのに、表では笑顔に接し、時にはランチに誘うテッサ。そんな典型的な怖い女性の人間関係を描いているのも本作のポイント。テッサのような女に困らされたことがある女性も少なくないはず。一方で、カレが好きすぎるため執着心が抑えられず、思わずテッサに共感してしまう人も少なくないのでは。しかし本作から学べることは、テッサのような絶世の美女でも、執着心や嫉妬心を持つことでその美しさは霞んで見えてしまうということ。執着心も嫉妬心も持たず、心の中のもやもやをすべてリリースした女性こそが素晴らしい女性になれるんだろうな、なんて勉強になりました。
 
 日本で公開されるのかどうかは不明ですが、キャサリン・ハイグルファンは要チェック。

(文/トキエス)

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