もやもやレビュー

TPOを大事にしない人が、実は失っているものとは? 『キサラギ』

キサラギ スタンダード・エディション [DVD]
『キサラギ スタンダード・エディション [DVD]』
香川照之,ユースケ・サンタマリア,塚地武雅(ドランクドラゴン),小栗旬,小出恵介,酒井香奈子,佐藤祐市
キングレコード
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

 Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとってよく使われる「TPO」。「TPOをわきまえろ!」なんて言葉はよく耳にすると思います。TPOを無視して振舞うことで、その場の空気を台無しにしてしまうことも。しかし、その場の空気以上に大切なものまで失うことになるかもしれないと、改めて気づかせてくれた作品『キサラギ』をご紹介します。

 自殺したアイドル、如月ミキの一周忌。彼女のファンサイトを通じてファンが追悼会を開催。集まったメンバーは家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘。(香川照之)というハンドルネームを持つ5人の男たち。追悼会といってもファンの集い。家元は楽しい雰囲気で始めようとしますが、オダ・ユージが「如月ミキが自殺ではなく殺されたとしたら?」と言い出し、その場の空気が一変! 如月ミキの死の真相を突き止めるため、5人は密室の中で推理バトルを繰り広げます。

 ここで注目してほしいのが、塚地さん演じる安男。みんな喪服の中、一人だけカジュアルな服装で追悼会に参加。そのためみんなのテンションがだだ下がってしまい、急いで喪服を買いに出かけます。また安男が福島から持ってきたというホームメイドのアップルパイがいつのまにか腐っており、変な匂いが部屋の中に漂います。腐っているとも知らず食べてしまった安男はお腹を下し、トイレへいくためまたもや部屋から退場。そうやって何度も席を外すのですが、その間にどんどんと超面白い話がリズミカルに進んでいくのです! 

 TPOを無視したせいで出鼻をくじき、一人だけ置いてけぼりになっていく鈍臭い安男を見ていると、TPOをわきまえることの大切さを実感する。そんな一本です。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム