もやもやレビュー

暇を持て余した神々の遊び。『ブルース・オールマイティ』

ブルース・オールマイティ ミラクル・エディション [DVD]
『ブルース・オールマイティ ミラクル・エディション [DVD]』
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ポニーキャニオン
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 数年前に流行った芸人・モンスターエンジンの神様がふざけ合うネタだったり、大ヒット漫画の『聖☆おにいさん』だったり、意外と相性が良い「神様」×「コメディ」。ジム・キャリー主演の『ブルース・オールマイティ』もそのひとつですが、リアルにコメディの神様と称されるジム・キャリーが、神様のパワーを授かっちゃった!という爆笑必至の設定です。

 NYのローカル・テレビ局に勤めるブルース・ノーラン(ジム・キャリー)は、アンカーマンの座を狙っていたものの、ライバルのエヴァンに奪われてしまいます。ショックを受けたブルースは、生放送中に思わず放送禁止用語を言い放ってしまい、クビ確定。さらに帰り道にヤンキーたちに絡まれるなど、最悪の日を過ごし、恋人のグレース(ジェニファー・アニストン)に八つ当たり。挙げ句の果てに何でもかんでも神様のせいにしてしまいます。しかし翌朝、なんと本物の神様(モーガン・フリーマン)がブルースの前に現れ、自分の代役をやってみろと、神様の能力を授けます。ちょっくらバケーションにいってくるわ!と立ち去った神様の代理を任されたブルースは、神様の力をフル活用して......。

 英語では、「ホーリーシット!」とか「ホーリーカウ!」とか、聖なる用語を使ったスラングがたくさんありますが、実はタイトルの『ブルース・オールマイティ』のブルースの部分を神に変えると「ゴッド・オールマイティ」というスラングになります。これは「なんてこった!」「こりゃ大変だ!」みたいな意味で、驚いたときや困惑したときに使用されるそうです。本作は「ゴッド・オールマイティ!」と何度も言い放ってしまいそうなくらい神様って大変なんだな〜と実感させられます。そんな感情、いままでに抱いたことがない......というか、神様の立場に立って物事を考えたことがある人はとても少ないと思います。本作を観るとなんだか不思議な感覚に陥ります。

 そして、注目してほしいのが、神様の力をフル活用したブルース。常にハイテンション、それに加え神レベルのパワーを利用してやんちゃなイタズラを繰り広げます。それがもう腹を抱えて笑う程おもしろい。落ち込んでいる人が近くにいたら、すぐさまオススメしてあげたい作品です。いつもに輪をかけてパワフルなジム・キャリーのコミカルさを見たければ本作がオススメ! 腹筋崩壊間違いなしです。

(文/トキエス)

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