もやもやレビュー

過去を引きずっている人が『ミスティック・リバー』を観ると、前を向きたくなります。

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 第76回アカデミー賞で作品賞のほか6部門にノミネートされた、クリント・イーストウッド監督の代表作『ミスティック・リバー』。ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンの3人の名優がイーストウッド監督の生み出すサスペンス・タッチの人間ドラマに見事ハマっています!

 少年時代、いつも一緒に遊んでいたジミー、デイブ、ショーンの3人。ある日、デイブだけが車で連れ去られ暴行を受けるという事件が発生します。デイブは結局、自力で脱出できたのですが、その事件以降、3人は疎遠になってしまいます。それから25年後、なんとジミーの愛する娘が遺体となって発見されます。そして、ジミーは被害者の父親、ショーンは刑事、デイブは容疑者というかたちで3人は再会するのです。

 子どもの頃の事件がトラウマになって悩まされているデイブと、「もし、あの車に乗っていたのが俺だったら...」と、過去を何度も見つめ直すジミーとショーン。そんな3人が再会を果たしたことで、"友情"が事件とどう関わっていくのか本作のカギ......と思っていたのですが、この3人、友情のゆの字も感じられないのです。

 上辺だけでしか会話しないし、陰では「友達ではない」と否定する。そんな姿からは、過去を引きずりすぎて、闇オーラしか感じられません。そして、過去のトラウマや後悔がキッカケで、事件は思わぬ方向に発展してしまうのですが、もう悲しすぎてみてられない! エンドロールを見る頃には、悲しい気持ちで言葉が出なくなると同時に、過去を引きずりすぎることは良くないと、すぐに前を向きたくなること間違いなしです。

(文/トキエス)

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