執着心を持つことは、少し惨めなことなのかも。『7つの贈り物』
- 『7つの贈り物 MPD [Blu-ray]』
- ウィル・スミス,バリー・ペッパー,ロザリオ・ドーソン,ウディ・ハレルソン,ガブリエレ・ムッチーノ
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自分は"執着心"が人一倍強い、と感じたことはありませんか? 私の場合は、お金に切羽詰まってるとき。人一倍節約に力を入れ、もしかしたらお金に執着しているキャラクターに変身してしまっているのかも、と実感することがたまにあります。そんな執着体質になってしまっているかも(?)な人にオススメしたいのが『7つの贈り物』。物やお金に執着することって、ちょっと惨めなのかもしれない。そう思わせてくれる本作は、『パパの遺した物語』が記憶に新しい、感動映画を生み出すスペシャリスト、ガブリエレ・ムッチーノ監督が手がけています。
ベン・トーマス(ウィル・スミス)という謎の男が、盲目のセールスマンに電話をし、「目が見えないくせにセールスマンなのか」と侮辱する......観ている側からするとかなり心傷むシーンから始まるこの作品。実は、ベンは過去に衝撃的な事件を経験し、傷を負ったことから、ある計画を立てていました。それは、見知らぬ7人に贈り物をすること。国税庁職員として税金滞納者と接触するなど、7人の人物に接触しギフトを贈るベン。奇妙とも思えるほど親切なベンの存在を不審に思う人は少なくなく、ときに暴言を吐かれてしまうのですが、それでも"贈り物"計画を実行していきます。しかし、その計画には、特別な理由が込められているのです。
ベンのギフトは家だったり、骨髄だったりと、人が簡単に提供できないものばかり。ちなみに骨髄を提供するシーンは痛々しいのですが、それでも贈り物をすることを止めないベンの姿をみれば、自分の執着心がみっともなく感じてきてしまいます。もちろん、人生、ときには執着することも大事ですし、見方によれば、ベンは贈り物をするという計画実行に執着しているようにも思えます。しかし、彼の執着は人になにかを与えることであって、執着心にもいろいろな形とパターンがあるんだなと実感させられます。
ウィル・スミスとガブリエレ・ムッチーノ監督のタッグといえば、涙なしでは観られない感動作『幸せのちから』を思い出しますが、本作もハンカチ必須の作品。涙活したい人にもオススメです!
(文/トキエス)