恋も仕事も、初心に戻りたくなる。『セレステ∞ジェシー』
- 『セレステ&ジェシー [DVD]』
- セレステ: ラシダ・ジョーンズ,ジェシー: アンディ・サムバーグ,ベス: アリ・グレイナー,タッカー: エリック・クリスチャン・オルセン,スキルツ: ウィル・マコーマック,ライリー: エマ・ロバーツ,リー・トランド・クリーガー
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9月も残暑厳しいはずの例年ですが、すでに秋の足音が聞こえてきている今日この頃。秋といえばやっぱり映画鑑賞です!
『セレステ∞ジェシー』は、サンダンス映画祭で上映され、わずか4館から586館まで拡大公開された大ヒット作です。
セレステ(ラシダ・ジョーンズ)とジェシー(アンディ・サムバーグ)は、離婚を前提に別居中。でも、食べ物の好みも笑いのツボも合うし、住まいも隣で毎日のように会っていて、とても離婚するようには見えません。実際、彼らの大学時代からの親友も、2人の様子にあきれるほど。
ところが、ジェシーに彼女ができたことからその関係もくるい始めます。今までのセレステといえば、買ったばかりのIKEAの家具が組み立てられないの~とジェシーの都合もお構いなく彼を都合のいいように扱っていたし、仕事をしない彼に上から目線で発言したり。
相手がいつまでも自分を好きでいてくれるそんな保証はどこにもないのに、いつの間にか今の関係に甘んじて謙虚さを忘れてしまう。関係や置かれた状況に慣れるって恐ろしいです。きっとこれって恋愛以外でもあるように思います。
例えば仕事でも。就職したての頃にはあったはずの初々しさや謙虚さも、数年経って慣れた頃には消え失せて、仕事の仕方も同僚や取引先のお客様にさえ、知らぬ間に横柄な態度になってしまっている、なんてことあるのではないでしょうか。本人に自覚がなくとも、仕事に対する姿勢が自ずと所作のあれこれに出てしまい、周りからの印象や評判は実は良くなかったりするという...。
映画に話を戻すと、ジェシーに彼女ができて初めて自分の気持ちや過ちに気付いたセレステですが、時すでに遅し......。
恋愛も仕事も、人生を大きく彩る重要なパーツ。失敗や後悔して一皮むける経験も大事。でも、その前に本当に大切なものを失いたくないのであれば、初心に立ち返り、謙虚さを取り戻したくなる。そんなことを気付かされた本作でした。