どん底な時ほど、自分を見失わないこと。『ドラフト・デイ』
- 『ドラフト・デイ [Blu-ray]』
- ケヴィン・コスナー,ジェニファー・ガーナー,アイヴァン・ライトマン
- バップ
- >> Amazon.co.jp
- >> HMV&BOOKS
今年もアツかった夏の高校野球。それも終わってしまい、夏の終わりを感じています。今年は早稲田実業の1年生清宮選手や関東第一のオコエ選手らに注目が集まっていましたね。
そんな彼らがプロになる時、通らなければならない道、それがドラフトです。自分が希望する球団に必ずしも入れるわけではなく、くじによって決められてしまうソレです。
本作は、アメリカン・フットボールのプロリーグ、NFLでのドラフトのお話です。
クリーブランド・ブラウンズのGM、サニー・ウィーバーJr(ケビン・コスナー)は窮地に立たされていました。名将と言われた父親を亡くし、チームも2年連続不調。そんな中、12時間後にドラフト会議が迫っていました。
このNFLのドラフト制度は、日本のプロ野球のドラフトとは一風変わっていました。全32チームが前シーズンの最下位から順に選手を指名。指名権トレードなど独自のルールがあったり、順番が回ってきたら10分以内に指名しなくてはならないというもの。
カギを握るサニーの元には、ライバルチームのGMからはかけひきのTEL、新人選手からはアピールのTELがかかってきたり、彼とは異なる考えを持つオーナーから横やりが入ったりと、超多忙。さらに恋人の妊娠が発覚したり、母親と前妻が(サニーの)亡き父の遺灰をしに訪れたりして、ドラフトどころじゃありません。その間にも数時間後に行われるドラフトのために、とるべき選手を決めあぐね、判断材料になりそうなあらゆる情報を収集します。そして、いざドラフトが始まったらいよいよ他チームとのかけひきです...。
色々な邪魔が入ったり、弱みにつけこまれかけひきを迫られたりしますが、大切なのは、追い込まれた時こそ自分を見失わないことだとサニーが教えてくれます。どれだけ自分を信じられるかで結果も、結果についてくるものも違ってくるのだと思いました。
(文/森山梓)