目標を持つだけで、毎日が「強くてニューゲーム」になる! 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』
- 『オール・ユー・ニード・イズ・キル ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]』
- トム・クルーズ,エミリー・ブラント,ビル・パクストン,キック・ガリー,ドラゴミール・ムルジッチ,シャーロット・ライリー,ジョナス・アームストロング,フランツ・ドラメー,ダグ・ライマン
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朝起きて、仕事に行って、帰ってきて、夕飯食べて、お風呂入って、寝る。人生が、マンネリな作業ゲーになりつつあった時に出会ったんだ。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に。
日本の同名ラノベを原作に、『ボーン・アイデンティティー』や『Mr.&Mrs.スミス』のダグ・リーマン監督がメガホンをとった『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。ギタイと呼ばれる謎の侵略者の脅威に晒されている地球が舞台。トム・クルーズ演じるケイジ少佐は、広告代理店出身で実戦経験ゼロの軍の広報担当。いわばレベルゼロの彼が、無理矢理送り込まれた戦場でひょんなことからタイムループの能力を身につける。死ぬたびに同じ地点に戻って同じ日をやり直す、そんな毎日を送ることになるのです。
死んで覚えて強くなる。『ダークソウル』のような死にゲーをプレイしている感覚が呼び覚まされ、特にゲーム好きな人には他にないワクワク感を与えてくれる本作。もう無理ってわかったら、取り敢えずさっさと死んでリセットしとこ! そんなゲームあるあるが上手いこと取り入れられていて、うはぁ!となってしまうこと、請け合いです。
で、そういうゲーム感覚の面白さとともに、ケイジ少佐はひとつ素敵なことに気づかせてくれます。それが、変わりばえしない日々こそが、強くてニューゲームの舞台だったのだ!ということ。同じ毎日を繰り返す中で「なるべく犠牲を伴わずにギタイを倒す」という目標のもと、レベルアップを重ねていくケイジ少佐と同じように、私たちだって、何かとても大切な目標を掲げる、それだけで、毎日が「強くてニューゲーム」状態になるはずだって。その目標を見つけるのが難しかったりするのでありますが......。
余談ですが、毎日死を意識して生きていたというスティーブ・ジョブズも、『オール・ニード・イズ・キル』的生き方、強くてニューゲームな毎日を送っていたと言っていいでしょう。そんなジョブズがレベルカンストで世に送り出したのがiPhoneだったんだろうなぁなんて、どうでもいいことに思いを馳せつつ、我々もカンスト目指して生きましょう!
(文/鬱川クリスティーン)