もやもやレビュー

災害時の教えが詰まってます!『タワーリング・インフェルノ』

タワーリング・インフェルノ [Blu-ray]
『タワーリング・インフェルノ [Blu-ray]』
スティーブ・マックィーン,ポール・ニューマン,ウィリアム・ホールデン,フェイ・ダナウェイ,フレッド・アステア,ジョン・ギラーミン
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 先日ニュースになった、都内の25階建てマンションの20階で起きた火災。いつ遭遇するかわからない災害にどう備えるべきか。その教訓をくれるのが、1974年のアメリカ映画『タワーリング・インフェルノ』です。

 舞台はサンフランシスコにそびえる138階建ての超高層ビル。その落成パーティ当日に、大火災が発生します。徐々にパニックになる中、設計者役のポール・ニューマンと、消防隊長役のスティーヴ・マックイーンらが命がけで人々の救出を行います。

 2人のカッコよさも見所ですが、災害時の行動についての教えもたくさんあります。例えば、とっさの消化にはシーツやカーテンが役立つということ。有毒ガスが含まれている煙を吸わないために、ハンカチなどで口元を覆い、低姿勢で移動すること、など。小学校の避難訓練で習った覚えがあるような基本的なことだけれど、意外と忘れていることを思い出させてくれます。

 ほかにもこんな教えが。
逃げ遅れた男女は、密室で2人の世界に入っていて、異変に気付けなかったことが原因でした。だから、志村、後ろ後ろ!の精神を忘れずにいること! さらに、ヘリコプターに吊るされたゴンドラでの救出場面。わざわざくじで順番を決めたのに、いざとなったら我先にと一斉に乗り込んだため、結局重量オーバーで全員落下......。だから、芥川龍之介はちゃんと読んでおこう!ということ。

 最後に。もしもビルを作ることになったら、外見だけじゃなく中身にもこだわって、安全基準をきちんと守ること。本作では設計者役のポール・ニューマンの指示に反して、安価な配線の使用や工事の手抜きをしたことが、大火災の主な原因でした。コンピューターの中身にまで徹底して美を追究したスティーブ・ジョブズを見習おう!

 いざという時のため、そして災害が起こらないようにするためにぜひ観てみてください。以上、現場からお伝えしました。

(文/森山梓)

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