もやもやレビュー

自制できることより、暴走できることの方が大事らしい。『アマデウス』

アマデウス ディレクターズカット [Blu-ray]
『アマデウス ディレクターズカット [Blu-ray]』
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赤ちゃんに聞かせると賢くなるらしかったり、牛に聞かせると肉質がよくなるらしかったり、ビールに聞かせるとおいしくなるらしかったり。神の音楽とまでいわれ、特別な存在として今なお愛され続けるモーツァルト。凡人な自分なんかとは何もかも違う、さぞかし神々しい人なのだろうという想像は、ある意味で間違ってて、ある意味で正しかった。『アマデウス』に描かれるモーツァルトは、アホで下品でエロくて、傲慢で謙虚さの欠片もなし。よく言えば、欲望や自分の気持ちに真っ正直。そんな、とてもヤバイ人だったのです。

物語の中で、モーツァルトへの嫉妬と羨望に狂い、彼を陥れるために様々な圧力をかけまくったのが、同僚の音楽家サリエリ。彼の特徴は、モーツァルトとは逆に「自制」を重んじていたことです。好きな女性にも手を出さず、たぶん童貞。真面目に努力を積み重ねてきました。でも、どんなに努力をしてもモーツァルトを超える音楽を生み出すことは叶いません。

自制心を持つことは大人としては正しいと思いがちですが、死ぬほど、ぶっ壊れるほど、真っ直ぐな気持ちで暴走できることの方が、実はできる人が少ないし、大事なんじゃないかと思わされる映画です。なんて言いつつも、今日はコンビニでハーゲンダッツを我慢してガリガリくんにしました。
(文/鬱川クリスティーン)

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