もやもやレビュー

リメイク版『キャリー』で再認識、女子が憧れる「愛され顔」の絶対的威力

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ブライアン・デ・パルマ監督の名作『キャリー』(1973年)を40年ぶりにリメイクした、2013年版『キャリー』。主演は『キック・アス』で大ブレイクしたクロエ・グレース・モレッツちゃんということで、驚異的にかわいく進化したキャリーでしたが、そのことが仇となり、説得力も恐怖感も失いまくる結果に。でも、それと引き替えに『キャリー』が教えてくれるのは、クロエちゃん最大の魅力である「童顔愛され顔」の威力のスゴさでもあったんです。

丸顔、垂れ目にアヒル口・・・愛され顔業界における三種の神器を併せ持つ、クロエちゃん。それに対して、オリジナル版でキャリーを演じたシシー・スペイセクは、見た瞬間に「あ、この人、不幸そう・・・」と思ってしまう、圧倒的なネガティブオーラを纏った老け顔は虫類系フェイス。シシー・スペイセクとは真逆の顔を持つクロエちゃんが演じることで、不気味さと切なさを湛えていたオリジナル版とはうって変わって、『キャリー』はよくあるアイドル系青春ホラームービー☆として生まれ変わりました。ちなみに、頭上から豚の血をぶっかけられる名シーンももちろんありますが、デ・パルマリスペクトのスローモーションが裏目に出て、なぜだかアイドルのどっきり映像のような仕上がりに!

クラスメイトにいじめられても、頭のおかしいマミーにしばかれても、不幸で可哀想というネガティブなイメージより、「健気でかわいい」というプラスの印象が勝るクロエちゃん。だからいじめすら、アイドルどっきりに見えちゃうんですね。愛され顔には、どんな不幸な状況にも屈せず、それを凌いで余りあるパワーがあることを示してくれています。女子たちが幸せへのパスポートとばかりに、愛され顔を手に入れたいのも納得です。

そんなわけで、ホラー映画としての説得力は失ったけど、代わりに愛され顔の価値という意味での説得力を得たリメイク版『キャリー』でした。
(文/鬱川クリスティーン)

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