クリエイティブとは、生き方のことでした。『ジャッジ!』
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クリエイティブな仕事に憧れています。聞こえもよいし、なんとなくかっこいいからです。はい、ミーハーです。
ソフトバンク(「白戸家」シリーズ)や東京ガス(「ガス・パッ・チョ!」「ガスの仮面」)など、数々の人気CMを手がけるクリエイティブディレクターの澤本嘉光氏が脚本を手がけ、サントリー「グリーンDAKARA」などのCMディレクター永井聡氏が監督を務めた、「広告祭」が舞台の本作。広告界の最前線でガチで活躍する人が、広告業界の裏側を描いたことでも注目を集めました。
主人公は、広告代理店に勤める不器用で馬鹿正直な太田(妻夫木聡)。上司からの無茶ぶりにより世界最大の広告祭の審査員を務めることになった彼が直面したのは、各国の審査員たちのひどい実態。自社の作品を入賞させるために裏工作しまくりだったのです。
とはいえ太田にも、お取引先様の作品(かなりひどい出来)を入賞させるという、他の審査員と同じような使命が(苦笑)。しかし馬鹿正直な太田にとっては無理難題で、あろうことか「正しいと思うことをしよう! 自分の良心に聞くんだ!」と、私利私欲のためでなく正直に投票するように呼びかけます。さらには、良作だったのに落選した同じ日本人審査員(鈴木京香)の広告を再審査で入選させるべく奔走。そんな長いものに巻かれない勇気ある行動に、審査員たちの心が徐々に動いていくのです。
なんとなく憧れていたクリエイティブの仕事。でもクリエイティブって、単にカッコいい作品を作ることではなくて、人生そのものを表わす・・・いや、表れてしまうものなんだ。そんな風に感じられました。その人の考え方や生き方が元となって、築き上げられ、できていくもの。だからこそ、自分の軸をしっかり持たねばやっていけない仕事だったのです。
というわけで、私、今日から「朝活で自分磨き」します。・・・って、まだミーハースピリット治ってねぇ。つーか微妙に古いわ。
(文/森山梓)