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「長女より妹の方がモテる」は本当か?『コクリコ坂から』。

コクリコ坂から [DVD]
『コクリコ坂から [DVD]』
宮崎吾朗
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 ジブリの生え抜きで後継者筆頭とされる米林宏昌監督の『思い出のマーニー』が公開中! の一方で、宮崎駿の息子・宮崎吾朗が手掛ける初のTVアニメ『山賊の娘ローニャ』(NHK BSプレミアム)が10月から放送開始です。そんな吾朗監督の監督第二作が2011年の『コクリコ坂から』。父・宮崎駿がシナリオを書き、息子が絵コンテに起こした、親子共作も話題になりました。

 舞台は1963年の横浜。高校2年生の主人公・松崎海は、諸事情あって高1の妹・空&幼い弟・陸とともに、コクリコ荘に下宿しています。原作は1980年に『なかよし』で連載された少女漫画。高校の先輩・風間俊との姉の海、妹の空の恋模様も魅力の本作で、「長女より妹の方がモテる」説を検証してみたいと思います。

 妹の空は甘え上手。例えば、憧れの風間先輩にサインをもらいたいと、姉の海に上手く頼んで付き添ってもらうことに。海だって大して面識ないのに・・・。一方の海は甘え下手。好きな人(風間)と父親が同じかもしれないという事情を知ってしまい、ショックでそのまま寝てしまった翌朝ですら、誰かに頼ることなく日課の家事をやり遂げます。

 また、空は切り替え上手でもあります。最初は風間先輩に好意を抱いていたのに、海との関係の方が親密になっていったことで、あっさりと別の男子にのりかえます。風間と仲の良い水沼という男子で、しかも結構いい感じになります。それに対し、海は一途に風間のことを思い続けます。たとえ兄妹でも好きだと、自分から告白します。

 こうして見ると、妹特有の「要領の良さ」。それこそが、姉より妹がモテると言われる所以なのかも。不器用な姉がしてきた数々の失敗から学び、なるべく手を汚さずに、最小限の努力で結果を得られる妹! うらやましいぞ! 海の純愛もいいけど、生きるすべは空から学べ! そんな『コクリコ坂から』でした。

(文/森山梓)

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