『皇帝ペンギン』のイクメン子育てが壮絶すぎる。
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女性の社会進出が進む中、日本でも海外でも増加している「専業主夫」。一方、女子は女子で「専業主婦」になりたい人が増えているらしく。かくいう筆者も願わくば・・・なんて思わなくもないですが、でも、いざなってみるとかなり過酷だ!ってことを思い知らせてくれるのが、『皇帝ペンギン』です。
2005年に世界的に大ヒットを記録した、フランス産ドキュメンタリー。南極大陸に生息する皇帝ペンギンの生態・・・主に結婚と出産と子育ての部分にフィーチャーしていますが、最大の特徴はオスが凄まじい「イクメン」であること!
毎年繁殖の季節になると、産卵の聖地へ向けて100kmもの距離を命がけで大行進する皇帝ペンギン。到着早々大規模合コンが繰り広げられるのですが、メスよりもオスの数の方が少ないことから、オスは基本、余裕の待ち。一方のメス勢はオスを巡ってどつき合い。で、めでたく結婚が成立すると、オスたちはもれなく専業主夫の世界へ。でもそこで目にするのは、専業主夫の過酷なリアルでした。
メスが産み落とした卵を、超極寒の氷の上で、激しいブリザードにさらされながら、立ったまま、飲まず食わずで、3ヶ月も抱き続ける主夫たち。その間、メスは遠くの海まで遠征して、たっぷりとエサを蓄えて帰ってくるんですが、なんと蓄えは卵から孵ったヒナの分のみ! 鬼畜の仕打ちです。かくして卵を孵し終わったオスは、猛烈な飢えでヘロヘロになりながら、自分のエサを求めて遠征の旅に出ます。それはまさに死の行進で、多くの命が失われるのだとか・・・。
専業主夫とは、かくも壮絶なものだったのか! 軽々しく専業主婦(主夫)やりたいなんて言えなくなる、すごいものを皇帝ペンギンは見せてくれます。生きるって辛いです。
(文/鬱川クリスティーン)