もやもやレビュー

『最強のふたり』に、際どいジョークのさじ加減を学ぶ

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KYという言葉が発明されてから、暮らしにくくなりました。最近は廃れたけど!

日本では2012年に公開され、フランス映画としてはあの『アメリ』超えを果たす大ヒットを記録した『最強のふたり』(本国フランスでは2011年公開)。パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった大金持ちのおじさんフィリップと、介護役に雇われたスラム出身&前科アリの黒人青年ドリスという真逆すぎる境遇にあるふたりが、強い友情と絆を育んでいく、実話を元にした物語。Yahoo!映画のユーザーレビューは4.5!(5点満点)と化け物級に支持されている映画です。

障害者が題材の物語というと、腫れ物に触るような妙な空気が漂うor不自然なお涙頂戴展開が常。ですが、この映画は確かに違う。ドリスのフィリップいじりがもの凄く秀逸で、何の罪悪感もなく心から笑えてしまうのです。けっこう際どいことを言っているにもかかわらず、です。

例えば不細工やデブなど、いわゆる人の欠点を笑いにするのは、お笑いなんかでもよくあること。ドリスがやってるのはまさにそれではあるんですが、後味がとっても爽やかなんです。そう感じるのはたぶん、フィリップの障害を欠点じゃなく、単純に「ネタ」として扱っているから。障害に同情するでもなく、障害をないもののように接するのでもなく、障害も含めてありのままを受け止め、ホントのホントに普通に接しているからこそ、成せる技です。

で、それって結局、ドリスがKYだからできるんじゃないか?と、思う! 空気は読んじゃうから変な空気になるのであって、読まなければいつでも空気はフレッシュで心地いいはずなんです。というわけで、KYに自信が持てる一本です!
(文/鬱川クリスティーン)

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