もやもやレビュー

『ライフ・イズ・ミラクル』を観て、ニッポンの全おじさんの健康を祈った。

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 皆さまごきげんよう。普段、アパートの屋根のないところに止めている自転車を屋根のあるところに置いてみましたら、何者かの手によって即日戻されており、古い表現ながら「ガーン」としか言いようのない気持ちになりました。ガーン。

 内戦中のボスニアが舞台の『ライフ・イズ・ミラクル』を観てみました。いつ爆撃があるか分からず市民は落ち着いていられない状況ですが、皆、覚悟が決まっているせいなのか、あるいは紛争が日常化しているせいなのか、どこかのんびりしているように見えます。

 とんちんかんな歌と踊りで周囲を戸惑わせるオペラ歌手、失恋し自殺志願で線路上にずっと立っているロバ、線路に撒いたドラッグを吸引しながら汽車でパレードするアル中の男など、ユニークな登場人物がたくさん出てくる中とりわけ目をひくのは、主人公の敵国からやってきた女性、サバーハ。彼女は捕虜として主人公の家に連れてこられますが、その暗い状況に迎合せずに生命力をバーンと景気良く開花させています(ついでにおっぱいもバーンとオープン!)。彼女がイキイキと笑ったり走ったりするとそこだけパッと明るくなるようで、主人公もいつの間にか恋に落ちていきます。

 ここから思うのは、心から笑っている女性って本当に花みたいで、世界を救うのだなぁ、ということ。10代~20歳そこそこの女性アイドルばかりがTVに出ている国もそうそうないと聞いたことがありますが、かわいい女性が笑っていてくれたらそれでいい、というおじさんの気持ちもよく分かります。疲れている時には無垢なものや無害なものを求めたくなりますものね。日本の全おじさんがメンタル的にもフィジカル的にも健康になりますようにと祈らずにはいられません。

 関係ないですが作中、爆発の衝撃と爆音に目をまん丸にして固まっている猫が非常に気の毒ながら非常にかわいくて印象的でした。猫ってあんな顔するんだ...。

(文/小野好美)

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