もやもやレビュー

喧嘩の仕方から見えてくる男女の生態。
『おとなのけんか』

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 タイトルが気になって『おとなのけんか』を観ました。他人のけんかを約1時間20分ひたすら観てました。本作はパリ、ロンドン、NYのブロードウェイで大成功をおさめ大ヒットした舞台劇が原作であり、監督は『戦場のピアニスト』でアカデミー監督賞を受賞したロマン・ポランスキーです。

 その喧嘩している大人たちというのは、子どもの喧嘩を解決するために集まった2組の夫婦。1組は金物商とリベラルな作家の夫妻(ジョン・C・ライリー/ジョディ・フォスター)、もう1組は弁護士と投資ブローカーの裕福な夫妻(クリスト・ヴァルツ/ケイト・ウィンスレット)です。舞台は前者の自宅のみというワンシチュエーション。登場人物もこの4人だけです。

 喧嘩の様子から見えてくるのは、男女それぞれの違いです。険悪ななかでも、男2人は旨い酒で意気投合。また互いの職業にやたら興味を持ったりと、喧嘩しつつも客観性を失わない男性ならではのコミュニケーションに感心させられました。一方の女性は、頻繁に鳴る旦那の携帯にぶちギレて花瓶の中に投げ捨てたり、相手女性のかばんを投げたりと超感情的。でも、携帯のシーンで慌てる男性を尻目に大笑いしている姿は、その思い切りの良さにすがすがしい気持ちにさえなりました。また、素直に謝ったり、相手に対して思いやりのある言葉をかけるシーンでは女性特有の優しさをみた気もしました。

 男性の客観性やユーモアは、張りつめた空気を柔らかくする役目をしていた一方で、それにより論点が逸れてしまった話し合いの軌道修正をする役目や、我が子を想っての発言が多かったのは女性。男女っていい感じに凸凹にできてますね。やっぱり女子には男子が必要なんです。彼氏が欲しいです。

 と、いろんな発見はありましたが、終始思っていたことは「早く帰ればいいのに」です。喧嘩は早々に切り上げるが吉。そんな映画です。

(文/森山梓)

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