もやもやレビュー

『暴走特急』を見て、iPadを使いこなす大切さを知る

暴走特急 [DVD]
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スティーブン・セガール,エリック・ボゴシアン,キャサリン・ヘイグル,ジェフ・マーフィー
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 しばらく前にiPadを購入しましたが、全く使いこなせずにいます。せいぜい見逃したドラマやバラエティを見るくらいで、イノベーションの恩恵をぶん投げるような使い方しかできていません。ジョブスが見たら、たぶん号泣するでしょう。

 そんな態度を改めるきっかけになった映画が、スティーブン・セガール主演の「暴走特急」です。(なぜ主演名を明記したかというと、この映画のシリーズは「セガールがいかに最強の男であるか」ということのみを伝える映画だからです。いや、本当に。)

 元海軍兵士のライバック(スティーブン・セガール)は、乗り合わせた列車が突然、数十人の武装勢力に襲われます。列車中がパニックとなる中、元兵士の経歴を如何なく発揮し、顔色一つ変えずに敵を倒していくライバック。時には素手で、時には銃で向かいくる武装集団を抹殺していくその強さは、紙切れのように敗れていく敵キャラの方が可哀想に思えてくるほどです。

 そんな最強な男、ライバックはメカにも強い。1995年の映画公開時には最新携帯端末であった、Apple社の「Newton」を使いこなし、武装勢力によって列車が占拠された事を外部に伝える事に成功します。(このライバックの行動により事態を知る事となった外部の援軍も手伝い、武装集団はさらに瀬戸際に追い込まれていくことになります)

 彼の強さをもってすれば、援軍に頼らずとも殲滅していた感も否めません。ですが、ただ力が強いだけでは、IT技術全盛の現代では「最強の男」とは言えないのではないでしょうか。自らの肉体を鍛えると同時に、時代の利器も手中に収める。そんなライバックの姿こそ、スマートフォンやタブレット機器に囲まれて生きる2013年の男たちのロールモデルかもしれません。

(文/伊藤匠)

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