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果てなき「自由」と「管理」の対立。『カッコーの巣の上で』

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 あなたは自分ですべてのことを選択できることが幸せだと考えますか? それともすべてを決めてもらって従うことが楽だと考えますか? そんな両者の対立を描いたのが、この映画です。

 主人公・マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)は精神病を偽って刑務所から精神病院に逃げてきた男。そこで待ち受けていたのは、婦長による徹底的な行動の管理でした。そんな婦長にマクマーフィはことあるごとに反発します。日課をやめて、野球のワールドシリーズを見たいと提案して、多数決をとらせたり、他の患者たちを外に連れ出して、釣り行ったりと、外の世界を忘れ「管理」に慣れきっていた他の患者たちに、「自由」の素晴らしさを教えていきます。徐々に打ち解けていく両者でしたが、いざ、他の患者たちに一緒に脱走して外に出ようと提案しても、誰も一緒に行こうとしません。なかには自由意志でこの「管理」の場にすすんでいるものも。

 そう、人間は「自由」を求める動物でありながら、同時に「管理」も求めてしまう動物なんです。そして、どっちが幸せかは、それこそその人次第だということ。婦長たちも患者たちを苦しめようとして管理しているわけではないのです。難しいですね。この映画、ハッピーエンドともバッドエンドともとれる結末が待っています。ぜひ自分の目で確かめて、一度「自由」と「管理」について考えてみてください。

(文/神田桂一)

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